久野で林間学校
昨日一日、小田原植木さんの森で、林間学校のような活動があった。「親子で自然体験を少しワイルドにおこなう。」をコンセプトに夏の一日を一緒に活動した。[美しい久野里地里山協議会]の親子体験教室であった。主催者側含めて50人くらいの人が集まった。親子が15組。小田原植木さんの森は、舟原の集落から少しのぼった久野川沿いにある。大きな大木が、うっそうと茂っていて、森の中はこぼれ陽が届くくらいで、こんなに猛暑が続いているのに暑いことは無い。虫なども心配していたのだが、焚き火を始めたらほとんどいなくなった。朝、ときどき森まで散歩に行くことがある。今は田んぼの水回りで、水源を見に行くので森を通る。管理された森は光が降り注いで美しいものである。大木の力というか、中に居るだけで癒される。例えば風邪ぽい時など、しばらく森を歩いているとすっきりしてしまう。こうした素晴らしい森が、久野に存在することを、多くの人に知ってもらいたい、それが、里地里山の活動の第一の目的である。
午前中は、朝隣の竹林から切り出した竹で、竹細工を行う。竹で食器つくり昼食の食器作り。竹トンボや水鉄砲作り。前回の県の田んぼの活動で、道具が準備してあるので、これは有難かった。私の担当は、料理係。バーべキューをやるということで、材料の調達や準備。竹細工に熱中していて、料理の作業に移る気配も無い。平行してやるということだったが、これはすこし無理があった。料理は里地里山関係者で、進める感じになった。里地里山の皆さんはこうした作業に慣れているので、手分けしてどんどん進めてくれた。責任者の忠さんが言われていたコンセプト、参加者自身が自分のやり方で自主的にやるという方向には進めなかった。各自がワイルドにやるといっても、丸抜きの鶏には手が出なかった。大勢が自主的にやるにはまだ、準備不足だったか。一応は鶏のさばき方は見てもらい、後は任せてと思ったのだが、2組の人は料理に入ったが、他の人は、全く手が出なかった。野菜も様々準備したのだが、意外に食べなかった。人気があったのは焼きトオモロコシ、最後のスイカ割りの西瓜か。
参加者の募集は自治会の回覧板で行ったが、これでは残念ながら、人は集まらなかった。「集まりすぎるので、久野以外には呼び掛けない。」で行くというのが、準備の会議の際の考えであった。久野地域の回覧版の有効度など、集まりの悪い理由の分析が必要なところだと思う。15組の大半が、関係者からの直接の募集に応じた形だったと思う。初めてのことなので、そう言うものなのかもしれない。久野に暮らしているものには、久野の森や川の魅力というものにたいして、今一つ反応が弱いのかもしれない。回を重ねる事で認知度が高まれば、反応も変わってくることもあるだろう。参加した子供たちには、久野の森や川が、新鮮で驚きに満ちているのは、当然のことで、きっと良い思い出になっただろう。
次回は秋に、山につつじを戻す活動を行う。現在、苗木が養成されている。久野川の源流をさかのぼり、登山道には三つ葉つつじや山つつじが咲くようになってもらいたい。箱根の山が植林の山になり、手入れが不足してどうしても荒れてしまう。美しいふるさとの山や川。という意識で眺めるような関係で無くなっている。経済性だけで山を見ていたのでは、美しい山はできない。業として成立しなくなっているのは、農業も林業も同じである。これをどういう形で、市民的に支える仕組みを作るか。行政のかかわりが了解されるのか。地域を愛する心。暮らしている場を大切にする心。こうした思いが育ってゆくような、大人の姿を伝えなくてはならない。子供たちにそうした自然環境の場を提供したい。次の世代にとっての地域というものは、豊かさが失われるだろう。