稲直播の実験
直播にはいくつかの、問題点はあるが、省力の長所も大きい。何度も失敗しているので、今回はどこが一番問題かを、整理して考えておきたい。まず、スズメの食害。播種さえ出来るなら、草の中に播種する方法は、スズメの害は少ない。最近スズメが減っているという心配な朗報もある。クローバーやレンゲを一面生やしておいて、その中に播種する。播種の精度に問題があってこれは失敗した。一箇所ごと手で蒔いてゆけば可能だったが、それでは2畝の田んぼが限界である。自給ならそれも良いが。播種機によっては可能なものがあるのかどうか。岡戸式直播機ではだめだった。今回は、出来る限り浅く耕した。草が残った状態の方が、スズメも気が付きにくいのでは。一面に30センチほどの草が土に混ざる程度である。耕して、一日置いて岡戸式で種蒔き。草が邪魔をしたが、ある程度は蒔けた様だ。播種精度はないが、7畝で1キロの種籾は使った。
6日に蒔いたのだが、9日時点ではまだ発芽はしていない。スズメは耕したとたんに集まってきたので、かなり食べられる覚悟はしなければならないだろう。しかし、徐々にスズメは居なくなってきた。どの程度食べられないかのレベルの方に興味がある。今食べているのは、むしろ雑草の種、や虫のようだ。種籾にスズメが嫌がるものを塗る方法。そのようなもので安全なものはあるのだろうか。水を張ってしまう方法。こちらは、鉄コーティング法ではスズメに対して影響はあるか。カルパーとは過酸化石灰らしい。石灰でもどうも気になる。水を張るのなら、作業全体の見直しが要る。どのタイミングで水を入れるか。春水田んぼでも可能か。春水田んぼでの土壌はどうなるか。この場合緑肥はどうなる。どうもいい土になる気がしない。冬水では、とても管理がやりきれない。棚田では無理。
次に大きな問題が、雑草対策。草は浅い緑肥を耕す方式で行く。ある程度草が出たところで、深水に切り替える。しばらく置いて良い頃合いで、コロガシを入れる。稲がある程度伸びて来た所で、補植田植えを行う。そこでソバカス抑草に入る。こちらも想定では、何とかなりそうな気がいつもするのだが、何か抜けている。これではまだだめなので田んぼを見に行き考えてみる。田んぼでは、隣の田んぼに置いてある、セルトレーがいい状態の生育である。4月10日に蒔いた、親子田んぼのものが200枚、ラブシートが剥がされ、2葉期になっている。そろいもいいし雑草の混じりもない。生育も揃っている。いい苗になりそうだ。2,6反分で200枚蒔いたのだろうか。やはり、セルトレー苗との混合法がいい。両者の長所を生かす。両者の欠点を補い合う。
苗が2センチになった所で、これはかなり小さいわけだが、ここで水を入れる。たぶん16日頃になるか。水のたまるようになるのに、1週間はかかるだろう。手間はかけたくないので、自然にどの程度たまるのかも次の課題。生育に併せて、徐々に水を深くしてゆくのが普通だろうが、それだと雑草が枯れない可能性が高い。この辺の変化もよく観察する事。種蒔きの精度を挙げる課題。播種機の問題。種籾の事前処理の工夫。スズメをどう避けるか。まだ課題は山積みである。今の目論見としては、半分ぐらいの確立で直播稲が育つ。そこにセルトレーで育てた手植えする。補植のような感覚。いずれ土壌の熟成というようなものが大きく作用する可能性が高い。
昨日の自給作業:お茶摘6時間 累計時間:18時間