党首討論の不毛
昨日は、鳩山民主党に対する自民党谷垣氏の、初めての党首同士の議論が予算委員会でおおなわれた。相撲をやらないので、しばらく中継を見ていた。不毛な議論が続いた。鳩山氏の献金偽装の問題と、遺産相続の事が問題となっていた。始めの内は谷垣氏に自民党独自の調査に基づく、追求根拠があり、新しい論点でもあるのかと見ていた。結局、報道を通して知って居る事の範囲での議論である。証人喚問のズラーと上げた名前に、弟の鳩山邦夫氏がないのには笑ってしまった。鳩山氏の行った事に対して、有権者がどう判断するかは、夏の参議院選挙で結論が出す以外ない。重要な転換期に際して、延々と時間を浪費している暇があろう訳がない。自民党が予算に対して、どういう意見があるのかが知りたい。民主党政権の予算編成の新しい枠組みによる編成に対し、意見がないという事は、今回のやり方に自民党も賛成したと言う事になる。民主党の事業仕分け方式と、現実の予算との整合性を明確に問う必要がある。
特に、農業関連予算について、農道、耕地整理、有機農業、等廃止されたもの。米作農家に対する戸別補償制度の詳細。農地法の改正に対する運用の、行政ごとの解釈の違いの整合性。充分議論しなければならない様々な事案がある。日本の農業の行く先は、まったく不鮮明である。鳩山氏の相続疑惑。さらに、小沢氏の疑惑。小沢氏が問題なのは山ほどある。そもそも、4億ものお金で土地を買う事が、何故政治活動なのか理解できない。これでは政治にお金がかかるのも無理がない。個人献金がもし、こんな事に使われるなら、絶対に寄付など集まらないだろう。親からの相続が9億もあったというのは、相続の書類を調べれば分かる事だ。多分全てが廃棄されているのだろう。しかし、検察の相次ぐ関係者の逮捕も、自殺予防なのか知らないが、西松建設事件の失敗の敵討ちのような印象である。
いずれ、こんな政治家たちに票を入れたのは、日本の国民である。自民党がだめだというので、民主党に多くの人が入れた。民主党もだめだなようだが、どうしたらいいのか。今の制度では、10年くらいはこの2党以外が政権党になる事はない。今の選挙制度は良くない。良くないが、両党ともこの制度にしがみつくのだろう。世界では、経済的にも軍事的にも再編成が起きている。アメリカの後退、EUの調整。アジア、中南米、諸国の影響力の増大。日本の方角を見定める時だ。日本では革命が起きたともいえる、自民党に象徴される相当の分野での旧勢力の後退が起きている。大相撲ですら、改革の貴乃花親方が現れている。美術団体でも日展を頂点とする、絶対的構図は崩れ始めている。どの分野でも、経済が変ってきていると言う事だろう。
同時に東京地検の、情報のリークは異様である。それに従うように報道も反小沢で足並みを揃えている。こう言う報道の姿自体が、民主主義の未成熟な結果である。誰だって小沢氏が清廉潔白などと考えても居ない。自民党の中にはしらとぼけた議員が居るに違いないと思っている。いわば日本の政治の必要悪。あるいは水清くして、魚住まず。政治はきれいごとじゃない。というような意識で見てきた所だろう。谷垣氏がひたすら、鳩山氏を詰問したのは、政治を清流にしようというのではない。民主党にけちをつければ、次の選挙で勝てる。こう言う事しか頭にない。本来なら、自らの党の汚染一掃を掲げて、党内の徹底的掃除をすることだ。国民はまだ、小沢氏以上の金銭疑惑を自民党に感じている。自民党の綱領を変えて、政治資金の透明化を行うことだ。あらゆる癒着を断ち、民主主義政党に生まれ変わる事だ。その実現が急務だ。