悪法:産業再生法成立
公的資金を活用した一般企業への資本増強策を盛り込んだ産業活力再生特別措置法(産業再生法)改正案が22日、参院本会議で自民、民主、公明党などの賛成多数で可決、成立した。政府は月内にも改正法を施行、支援企業の選定基準を示す。支援対象として、「国内従業員数5000人以上」など、破綻(はたん)すれば雇用への影響が大きい企業を想定している。
ひどい法律が出来た。今起きている経済の状況の変化を、理解出来ていないゆえであろう。大企業優遇の最たるものだ。大きな会社が倒産すれば影響が大きい。小さい所はかまわない。経済は平等でなければならない。それはゆがみを生むからだ。資本主義経済の唯一の長所は、自由な競争にある。難かしい理屈もあるだろうが、私の所のような最小の養鶏場でも、その10万倍の規模の養鶏企業も、卵を売る経済に於いては同じ条件でなければ成らない。私も一銭の補助も受けていないし、企業養鶏場も同じでなければ原則が崩れる。それが自由競争の原則である。崩壊しかかった大企業というものには、崩壊する理由がある。理由は様々であろうが、時代の変化に対応できない、企業体質になっているのだ。それが健全な資本主義社会の、大原則である。アメリカが日本の失敗から学べ。としていることを丸で税金で企業を救済することのように考えるのは間違いだ。経済政策は迅速に行なわなければ、効果がない。こういう意味だ。
企業を国有化する。国有化して世界の経済競争に立ち向かう。これは逆行ではないか。自由主義経済から、国家計画経済にすると言う事か。これもまたアメリカ追随と言う事か。アメリカは競争に勝つためなら何でも正義になる。自由競争が有利なときは、農業分野の開放まで迫って、小さな国の自給の農業まで崩壊させてきた。所が一旦、自国の自動車会社が経営破たんすると成ると、自由競争どころか、まるで国営企業のように保護を始める。アメリカの主張する正義は、いつも自分が競争に勝つための正義である。自分が不利になることを主張することはない。強者が強者の地位を保全する自由競争。何でもアメリカの真似をする日本は、早速企業の倒産を避ける、法律を作る。経営難にある大企業を認定し、政策金融機関である日本政策投資銀行が公的資金で優先株などを購入して出資する仕組みだ。出資した企業が破綻し損失が出た場合には、国が税金で補てんする。
企業が倒産しかかる原因は、その企業にある。農業分野を見ればよくわかる。大企業が進出などしない。儲からないことはやらないのが資本の流れだ。儲からないことを理念だけで行えば株主訴訟になる。儲かると考えていた仕組みが儲からなくなるにはそれだけの理由がある。輸出依存にある。輸出依存によって、肥大化した企業を支えることなど、どれほど税金を投入して不可能なことだ。企業が大きく舵を変えるべきだ。アメリカが駄目なら中国だ。こう言う発想ではさらに、大きな破綻が待っている。破綻は小さい内の起きた方が増しだ。だから大企業の倒産の影響が大きいから、保全すると言う発想になるのだろうが、それはシロアリの喰っている家の屋根を直しているようなものだ。日本経済の土台を変えなければ、意味がない。政府がてこ入れをする企業を決めるらしいが、これは、企業献金の貢献度によるのだろうか。
経済は縮小し、暮らしも質素になるだろう。当然の姿に戻るだけだ。今の日本人の暮らしは、危ういアメリカと言う土台の上に、間借りしているようなものだ。しかし本来の日本人は、こんな情けない姿ではない。日本人の優秀性は、循環社会の見事な創出にあった。特殊な条件下ではあったが、小田原は小田原としての経済の自立があり、足柄地域の自給という事が行われていた。問題点もあるが、未来を切り開く要素が、たくさん潜んでいる。封建制、差別、飢餓、一揆、悪い要素が注目されてしまうが、過去の日本人がつちかった知恵を、今こそ復活させ、日本人が日本で暮せる仕組みを作り出す良い機会だ。潰れるものが潰れるの仕方がないことだ。潰さないということは、問題を温存すると言う事になり、結局大きな悲惨につながる。自由競争ぐらい残してもらわなければ、情けないじゃないか。