メタンガス
田んぼはメタンガスの発生源。特に緑肥の生の漉き込みはよく無いと言われていた。最近はどうもCO2の方に目が行ってしまって、温暖化の地球の全体像が捉えられていないように思う。温暖化など、全くのでたらめだという意見もある。これまた極論で、温暖化が徐々に進行しているのは、現実だと思う。しかし原因は人間の暮し方の総合的な影響と考えたい。環境問題はとかく本質から外れて、再生紙はどうか。割り箸はどうか。砂漠化はどうか。温暖化はどうなのか。どこかのこだわりに向けて一辺倒になりがちだ。背景に善意と言うような空気があるから、本当の議論ができていない気がする。農業分野でも以前は、メタンガスが問題にされた時期があった。特にゲップだ。草食動物のゲップがすごい量だと言うのだ。地球上に排出されるメタンガスは、主に野牛や家畜の牛、羊などによる呼吸やゲップだけで25%を超えるという。その他、肥料、天然ガスや水田、ゴミの埋め立て、化石燃料の燃焼など。
一方、生ごみのメタン化と言う事が模索されている。大きなタンクに生ごみやら、家畜糞を貯めて置くと、腐敗してガスを発生する。これがメタンガスで、燃料として利用できる。以前から、バイオガス・キャラバンと言う組織があって、養豚や養鶏をやる、小さな規模でも、3メートルほどの穴を掘り、そこに糞尿をためてガスを取るシステムを、自給しようというグループの活動があった。幾つか、稼動しているシステムを見たが、管理が充分にできて居る所は少なかった。管理が面倒くさいものでは、私には合わないと考えた。結構臭かったし、辺りが不衛生な状態になっていた。これは小さなものであるが。これをひとつの行政の生ゴミでやろうと成ると、毎日80トンの生ごみを1か月分でも、2400トン。これを貯めて置く施設が、大変なものになる。ガスが発生するのだから、これだけ大きく成るとリスクがある。それなりの施設でなければ、安心は出来ない。さらに、安定したガスを発生させるためには温度管理やら、水分の調整やら、水分と言えば、同量の水を加えて発生させると言うよなシステムらしい。環境省では推進しているが、あまり進まない。
田んぼでは、ガスが沸くという現象がある。根がやられるからいけないとよく言われる。土の中が嫌気的になり、メタン発酵が起きる。水の停滞した沼地などで、ぶくぶくとアブクが出ているあれだ。田んぼの場合、緑肥の漉き込みが原因する。生の緑肥を大量に漉き込むと、雑草の抑えが出来る。メタン発酵と紙一重と思うのだが、緑のままの植物が、嫌気的な土壌に混入する。水も加わる。季節が進み温度が高くなるに従い。メタン発酵が始まる。これが、温暖化のひとつの原因で、もし日本の田んぼ全てで、ガスが沸くことになれば、メタンの量は莫大なり、温暖化を進める。メタンは、二酸化炭素の27倍の温暖化の寄与があるとされる。しかし、自然が作り出したものはどんな形で変化しても、変わらない。こう言う事も同時に言われていた。私は、その意見は不自然と思っていた。土壌が取り込みながら、穏かな、自然に吸収される範囲がある、植物も二酸化炭素を吸収して出来たる。それを全てメタン発酵させて、放出すれば、一気に温暖化が進むだろう。温室効果ガスには二酸化炭素・水蒸気・メタン・フロン・一酸化窒素などがある。
CO2ばかりが問題視され、そのほかの事は忘れ去られている。確かに、化石燃料を一気に燃やしている訳で、地球のバランスが崩れ始めている。しかし、農業においても、メタンを発生させない農法も大切と言う事になる。堆肥の作り方でいえば、牛糞を野外に積み上げて、腐敗させるような堆肥作りをすれば、メタンを発生させることになる。養鶏でも床を状態良く管理して、そのまま、畑に入れられるようにしておけば、メタン発酵はいくらかでも抑えられる。緑肥は生では漉き込まない。一度刈り取り、枯れてから漉き込む。ガス脇が起きないように、土壌には酸素を送り込む農法の工夫をする。田車を入れることや、出来る限り練らない代の掻き方。そんなことは、全体から見たら意味がない、こういう意見がある。成り立ちの科学は検証されなければならないが、私の生活感はメタン農業は良くないといっている。