神奈川県有機農業意見聴取

   

平塚で、神奈川県による有機農業推進法に基づく、推進計画策定の準備のための、有機農業実践者に対する意見聴取があった。昨年アンケート調査を行い、それに基づき有機農業3団体から、推進計画の前段階として、県下の有機農業の実情は開くという形で、直接の意見を聞きたいと言う事だった。初めての集まりで、県の担当者も、会議の進行は戸惑い気味という感じだった。農協の関係者や、農総研の関係者も参加してくれて、県がこういう集まりを持ってくれると言う事だけでも、有機農業に対する理解が、少し進みかけているのかと感じた。今回の呼ばれた2団体と言うのは、今まで行政と、関係の薄かった、市民形の団体と言う事だろうと思う。あしがら農の会、有機農業ネットワーク神奈川、実際には大きな組織として、小田原でも、専門家集団と言う感じのものが、2,3つあるから、今回のものは、先日の有機農業フォーラムに県の関係者が答えて、くれたと言う感じもする。

2時間と言う短い時間のなかで、自己紹介やら、アンケートの解説。技術講習のようなものまであったので、実質話せたのは、30分足らずであった。農の会では事前に打ち合わせがあったわけではないが、専門の技術者による、有機農業技術の検証を、実施農家の事例研究を通して行ってもらいたいと言うものだった。私は農業総合研究所の技術者の技術レベルの高さをよく知っている。専門研究者が、有機農業について少しでも研究の手助けをしてくれたら、有機農業の現場は様変わりすると思う。それは農業ではデーターのとり方が、極めて困難な事にある。実験の条件があまりに様々で、何をどう条件付ければいいか。これが素人には無理だ。

ところが、今は実学の時代で、経済性のない研究は大学などの研究機関は行わない。例えば、農薬の研究なら、産学協同で研究費も潤沢にある。そういう研究をしていれば、学士院賞ももらえる。所が、いわば一文にもならない、米糠による田んぼの抑草の研究など、専門の研究者は見向きもしない。過去兵庫県の農業試験場のデーターが唯一のようだ。所が、有機農業推進法が作られるように、国レベルでは、少しづつ風向きが変わっている。やはり大きな方向は、誰かが人為的には動かしがたい。農薬や、化学肥料を使わない、農業形態を求める潮流は出てきている。しかし、技術としての確立がされていない。良く昔は有機農業だったと、簡単に言うけれど、これは間違っている。今の消費者の好む品種の作物を、今の収量で作れと言えば、昔の農家では出来ない。

現代の有機農業技術は、江戸時代の農業を再現するわけではない。かつての技を、否定的媒介にして、全く新たな方法として、技術化しなくてはならない。これは長年養鶏をやってきて、つくづく感ずる所だ。昔のやり方は、大いに参考になるが、そのままでは通用しない。今回、県の方でも、農総研の専門家の研究の方向、一つに、有機農業技術が入る可能性がでてきた。これは実現できれば、画期的なことだ。そう、畜産試験場に居られて、親切に手助けしてくれた、Oさんが県の担当者として居られた。農業は一人でやることだから、そうした理解者が存在すると言う事だけでも、本当に助かる。農総研には藤原俊六朗先生が居る。以前堆肥作りで指導をいただいたことがある。食品廃棄物の堆肥化には欠かせない方だ。有機農業推進計画と、土づくり、は連結している。ともかく、早く協議会作りに進まなくてはならない。

昨日の自給作業:堆肥まきと、絹さやの網2時間 2月の累計時間:実は2時間忘れていて、6時間

 - あしがら農の会