作付け会議
正月には農の会の作付け会議がある。昨年の成果と今年の計画を語り合う場だ。私の家でも卵の出荷については大きく状況が変わるし、それぞれに、新しい状況を迎えている事が感じられた。一番は循環農園の独立の話が出た。以前からそうした希望は言われていたので、いよいよそのときが来たのかと、感慨深いものがある。農の会は農業者と市民が助け合って、困難な農業の状況を打開しようとしてきた。放棄された畑や田んぼがあり、やりたいと言う人がいる。それを繋げようとしてきた。その中で新規就農した者は農業者として、独自に宅配をしながら、自立してゆく事が目標の人も多いだろう。農の会の役割として、立ち上げ時に協力が出来、その後自立してゆく。この形が望ましいとは、話し合ってきた。今まで、そういいながらも、そういう人は居なかった。
今回の循環農園の独立は、その新しい形が生まれたと言う事で、画期的なことだと思う。農の会が、こうして新規就農者の窓口になることが出来たと言う事は、新しい状況に、農の会が来ている象徴的な出来事だと思う。これから模索することは、独立した人と、どんな関係を作り上げるかだと思う。自主独立でやりたいと言う事は、農業を志す大半の人が思うことだろう。ただ、一人で立ち上げる事は、地元の出身者ならともかく、他所から来た者には、不可能に近いことだろう。農の会を新規就農の足がかりにして、次のステップに向かう。これが実現できそうと言う事は、循環農園の2人の努力の事もあるが、農の会の自由なゆるやかな連帯と言う、目指してきた方向が、間違えでなかった喜びがある。まだ、この先の事は誰にもわからないが、農の会らしい、新しい関係が作り上げられる事を期待したい。
加えて、新規就農の人が見えた。以前にも小田原で就農できればと言う事で、熊本から見えていたのですが。いよいよ熊本での研修先を引き払い。小田原で家と土地を探すと言う、覚悟をしたらしい。何とか実現してもらいたいが、先ず当面の困難は、家探しだ。農業をいくらかでも始められる条件の家を探さなければならない。昨年もう一人の見えていた、就農希望の青年から連絡をもらった。秦野市の「はだの都市農業支援センター」の「はだの市民農業塾」という制度を知りました。平成18年度から始まったばかりの制度です。そのなかの新規就農コースは週1回の農業塾+農家研修50日/年に参加して卒業すれば、40aまでは貸すことができるというもので、受講中も5aくらいなら貸し出せるということです。
彼はこれを進めて見ると言う事で、秦野で家探しを始めた。常識的には不可能に見える農業でも、そこで生計を立てたいという者は現われる。あしがら農の会が、どうやってそうした思いに答えてゆくか。状況はどんどん変わる、どうやって市民と農家が良いつながりをもてるか。新しい模索が始まっている。この前までの考えではもう通用しない。この間、生産者の農業者としての実力は、随分付いてきたと思う。作付けの話でも、随分話の内容が深くなった。大豆の会も、すごい人気だ。たちまちに50組が揃った。ことしは笹村個人として、醤油に取り組む。醤油の製造に自信がついたらば、これも是非事業に組み込みたい。醤油こそ一人でやるのでは、負担が大きい。50人で一樽仕込んで、みんなで分ける。こういう形こそ、自給の新しい姿ではないだろうか。