田んぼめぐり
2016/08/10
昨日は一日をかけて、足柄平野一体の仲間の田んぼを16ヵ所を見て歩いた。毎年一度は歩く事にしているが、今年は、9月1日というどこでも出穂が終わった時期に歩いてみた。始めてほかに関心を持たれる人がいればとよびかけて、大人7人子供3人で歩いた。今年は計測担当を決めて、役割分担で行ったので、田んぼの観察が丁寧に出来た。大きな収穫が2つあった。多分1人でやっていたら、生涯気付かず終わった稲作だっただろうと思うと。仲間でやってきたことに、大感謝だ。それにしても、今年の変則的な気候に翻弄された、姿がどの田んぼにもあった。やはり昔からの農家の皆さんの安定した、耕作の実力はすごい。私たちは、先ず苗作りで、苦戦した。5月の低温で、いじけた苗になってしまった。これが最後まで反映した。自然が一番と、保温を一切してこなかったことが、初めて問題を起こした。
トロトロ層の形成に関心があった為。そこに着眼して歩いた。特に不耕起にした場合の水を入れてからの土の状態の変化に興味があった。3箇所の田んぼが、水を入れる前の状態そのままの硬さを保っていた。長靴で入って足跡が付くかどうか、という恐れいいる硬さのままだ。一箇所は布マルチの田んぼだ。不耕起布マルチの組み合わせが、硬さを保ったと最初は考えた。所が、酒匂川土手の高台の田んぼで、やはり硬い田んぼが2箇所あった。こちらは富士山の火山灰を高く持ってその上にできた、と言う特殊な田んぼだ。当然3箇所とも、トロトロ層はない。水を入れて90日経っても土が柔らかくならない田んぼがあると言う事を知った。水を入れただけで柔らかく成った所も3ヶ所あった。こちらは、想像通り稲の出来もいい。トロトロ層も形成された痕跡がある。
今回、放棄地から再開した田んぼが3箇所、この田んぼの違いが面白かった。2箇所は全くの荒地から戻した。これが、想像通りの野生的な、活力に満ちた、バリバリ言いそうな稲なのだ。中でもワクワク田んぼではその勢いを、頑張って手を入れて、コントロールしたから、素晴しい出来になっていた。もう一つのえびちゃん田んぼではすごいで気が水尻で、入り口が弱い。簡単な想像をしてもしょうがないが、水温の違いが、土に変化を与えているのかもしれない。腐食物が多いい場合、水温は高くないといい状態にならない。問題はトロトロ層が形成されにくい。可能性はある。
トロトロ層と言うのは、大なり小なり形成されるが、その厚さの違いと考えたほうがいいらしい。いい例が、不耕起布マルチにおいて、トロトロ層形成がない。いまだ分解されていない、布が土と水と光が総合して起こるあれこれのことを、止めている。結果、たぶん、トロトロ層を形成するだろう生物の量が極端に少なかったのだろう。火山灰台地では何故、トロトロ層が出来ないか。水が一年中冷たいことに加え、土壌が特殊で、微生物が極端に少ない。など想像される。すごいトロトロ層になった、ワクワク田んぼやえびちゃん田んぼのお尻の方は、腐食物、水温と水の性質、土の性質、ゆるやかな沢沿い。これらが放棄されている間に、土をすばらしいものにしていた。この状態をどうすれば毎年の耕作で、保って行けるのか、作り出せるのか。永塚田んぼと、石綿田んぼの入り口に池を作ると言う発想は生かせるものがあるかも知れない。