市民活動応援活動資金

   

あしがら農の会が主催する、「田んぼの会」「お茶の会」「大豆の会」等の市民自給の会は、小田原市から活動資金の助成を受けている。3年前、市民活動応援資金を申請する一番の理由は、あしがら農の会が社会的事業である事を、会員自体に認識して欲しかったからだ。応援資金の報告の会でも、このことを繰り返し申し上げた。自分たちの活動の社会的位置づけに対して、少しは意識が変わってきたと思う。そのきっかけに市から補助金を頂くと言う事が作用すると思った。報告会で過去2回その事を話した。そして最後となる、3回目の報告も、その事の意味を話したいと思っている。

「地域に根ざした食育コンクール」で市民自給の会は
【優良賞 地域に根ざした食育推進協議会会長賞】を頂いた。
■提 唱:農林水産省
■主 催:地域に根ざした食育推進協議会・(社)農山漁村文化協会
■後 援:内閣府/文部科学省/厚生労働省

3回目の市民活動応援補助金を頂くにあたっての申請の公開アピールの席で、審査員の方から活動の公共性と言う事が、頻繁に問われた。実はこれは審査の席で、簡単に結論がでるような事ではなかった。「公共とはなんぞや」これは行政が日々問われていることだろう。しかし、私達が自分の食料を自給する事に公共性があるか。これは言われてみれば変な事かもしれないと思った。

そこで、書類がそのまま出せるコンクールがあったので「地域に根ざした食育コンクール」というものに出してみた。ちょっと書類の意味が違ったが、第3者がどのように見るかを押さえて置たかった。食育とは違うと言う事もあったが、最近良く聞く食育の方がどうも変だと思うので、あえて食べ物を作ることこそ、育むべきものだといいたかった。と言う事もある。

今年で4回目のようで、過去の受賞を見てみると、農の会の活動がそう特殊という訳ではないという事が分かった。但し、こうした物に出すには書類作りを面倒だと感じる人には無理だと思う。私達の活動よりはるかに公共性の明確な、「こっこ牧場」でも、ちょっと書類作りで止まってしまう。本当に困っている活動と言うのは、説明の方法が無いのだ。変に取りまとめて、飲み込みやすく説明してしまうと、なにやら嘘を付いているような気持ちになる。

農の会の特徴は、農業者が直接やっていることだ。農協とか、学校とか、生協とか、そうした組織が間に入るのでなく、職業として農業をして行こうとしている者が、市民の自給活動に関わっている点だろう。これが負担だ。そんな事は市民が勝手にやってくれ。こうした意見が出てきている。ありそうなことだし、普通の事だ。そのもう一つ奥には、周りから助けられるなんて不愉快だ。助けるのも嫌いだが、助けられるのは尚更厭だ。こんな気持ちが感じられる。新規就農しようと考える、人達は自立心が当然に強い。

そこをゆるやかに、隔たりなく、連なる事。鉢植えのトマトを1本育てる人も、寝る間も惜しんで畑仕事を続ける人も、同じにつながれないか。生きると言うところで、人間の手を結びたい。そうした事を夢見てきた。

 - あしがら農の会