沖縄知事選・続

   

ご意見もいただき、もう一度少し冷静に考えて見たいと思い、書き続けて見ます。沖縄の経済の問題、これが選挙を分けたというのは、その通りだと思う。糸数氏の31万票は前回の参議院選挙より、6000票減少している。一方、仲井氏は与党票を12万票を伸ばしている。この意味をよく考える必要がある。

経済と言っても沖縄では米軍基地雇用の問題がある。基地がなくなることで、職場がなくなる。これが、一定選挙に反映した、と考えられる。仲井氏が沖縄経済界の代表と言う事、東大出身、沖縄電力会長、人脈。経済の活性化の切り札と感じられる事はありうるだろう。早速政府は、沖縄県内の公共事業の国負担割合を最大95%とするなど大幅に優遇する方針を固めた。消防施設や都市公園、水道、下水道、地滑り防止施設、河川、小中学校施設の整備も沖縄県と他地域に分け、沖縄優遇で交付金の比率をいずれも増やす。特措法案は再編の進み具合に応じ段階的に交付金を拡充する新制度の創設が柱で10年間の時限立法。
仲井氏が基地再編受け入れを、しやすくすると言う事だろう。仕事と言っても、あくまで基地、公共事業だ。

経済が何よりも重要と言う事を、如実に表わしている。6000人の人が、基地反対の糸数さんを、見限ったわけだ。この2年間の間に気持ちが変わったのだ。この2年間に失業したのかもしれない。暮していけなければ、基地どころではない。米軍基地だって、働けるなら結構じゃないか。こういう気持ちになった。この実態は分からないが、なにやら恐ろしい。

あえて、それをおかしいと言えるかどうか。
言わなければならないと考えている。仕事がなくなったって、米軍基地で働く事など、止めるべきだ。戦争に加担して、お金になるからそれで良し、とは到底考えられない。そういう人も居る。というのはわかるが、そうした人が多数派になったとしても、それを受け入れる気にはなれない。失業しても、米軍基地などひとつも無い国であってほしい。

選挙というものが、経済が選択の基準となる。そんな考えの下に行われて、この結果になる。果たして、この国の議会制民主主義は成立していると、言えるのだろうか。米軍基地の再編問題は、世界情勢の最も深刻な課題だ。これが、沖縄の雇用問題とされてしまうことでいいのだろうか。沖縄知事選は、そういう意味でアメリカの世界戦略をくじく、大きなハードルだったはずだ。そうした世界観は考慮されなかったのだろうか。基地を受け入れるなら、経済支援を行う。これだけを強調する政府のあり方が許されるのだろうか。

ここでの不況は、豊かな不況だ。日本人が日本という国土の実力に沿って生きるという、選択をするなら、今の半分程度の収入で、生きなければならない。日本の豊かさがどこかの国が苦しんでいる事で、成り立っている。世界が平等に暮すとすれば、今の日本人の暮らしは、明らかにおかしい。その一つの現われが、米軍基地であり、基地にまつわる経済だ。経済の為に戦争をする国アメリカ。こんな国のおこぼれに預ろうとしているのが、今の日本。それで良いじゃないか。そうじゃなければ、仕事がなくなるじゃないか。これが、日本人の半数を超えている。

またまた、冷静ではいられなくなってしまった。6163人の糸数さんを見限った人達に、何故なんだと聞きたい。

 - Peace Cafe