エコエネルギーの開発力
世界各国で二〇〇五年、風力発電などの新エネルギー開発に対して行われた投資総額は三百八十億ドル(約四兆四千億円)で、前年比約27%の大幅増、新エネ開発が大きなビジネスになっていることを示す。日本は約二十億ドル(約二千三百億円)で四位だが、他国に比べて伸び悩みが目立っていることも判明。ドイツと中国がともに約七十億ドルでトップを分け合い、次いで米国の約三十五億ドル。
この結果、世界の新エネルギーの総発電容量は〇四年の一億六千万キロワットから一億八千二百万キロワットに増えた。容量では世界の原子力発電の半分近くになるという。国別では中国の四千二百万キロワットが最多で、ドイツと米国が二千三百万キロワットでこれに次いだ。
日本は新エネの発電容量では六百万キロワットと中国の七分の一にとどまり、七百万キロワットに増えたインドに抜かれ六位。また一年間に新たに建設された風力発電の容量は、ドイツの七分の一以下にとどまるなど伸び悩んでいる。
この情報には驚いた。国や電力会社のイメージ作戦に大分ごまかされていた気がする。資源の無い日本は、新エネルギー開発に積極的に進んでいかなくてはならない。こんなアピールで、あたかも進んでいるかのように、思ってしまっていた。中国の7分の1ですか。インド、韓国と比べても、開発の方向は違っている。
原子力発電への依存、が大きな原因だ。世界の趨勢は、その安全性から、新エネルギーへの転換を図ろうとしている。ところが、日本は当面の経済性を重視する余り、年々原子力への依存を高めている。その結果新エネルギーへの転換を発想することが出来ないでいる。
マイクロ発電というものがある。TOTOではトイレの水に発電機を設置する事を考えているそうだ。全ての無駄にしているエネルギーを有効に利用すれば、相当のことが出来る。舟原は中央に久野川が流れている。50年前には5台の水車があったそうだ。この水車屋さんが充分採算が取れて、お金に余裕のある人は、仕事として投資したそうだ。舟原の範囲200メートルで、5軒分の電力がまかなえる計算になる。その他、田んぼに回す、水路などにも設置すれば、まだまだ余力がある。
こうした小さな発電所を、法的に押さえてきた経過がある。風力、太陽光、すでに実用化されているものでも、色々用意されている。例えば、中山間地を、自給エネルギーのモデル地区として、実験してみるといい。日本のかなりの地域が、エネルギー自給が可能なはずだ。1960年当時、山梨県芦川村では芦川の発電所で、電力をまかなっていた。家の風呂まで、電力で沸かしていた。
こうした方向を、電力会社が恐れていたのだと思う。家庭電力が、全て自給になってしまったとき、会社が成り立たないからだ。私の家では太陽光発電で、電力は余力がある。原油高騰はこうしたところに変化をもたらすだろう。
企業は企業で発電設備を持ち、工場を稼動させる。こうなると、電力会社はいらなくなる。新エネルギー投資が、27%も伸びているということは、原油高騰と地球温暖化対策から起こっている。世界の趨勢から、徐々に遅れだしている、日本の姿がこうしたところにも現れ始めている。