蓮池

   

家に作った蓮池の蓮が、30センチほどの葉を付けて、ゆれている。3坪ほどの池が2つあるのだが、池の表面は葉で覆いつくされてきた。蓮は始めに、睡蓮のような水面に浮かぶ葉を伸ばす。その後、水面の高さの確認が終わったように、一気に高い、大きなはを順繰りに伸ばし始める。

最初の葉が出た頃、一面に稗が出てきた。これには驚いた。なんで新しく作った田んぼに稗が出るのだろう。どこかで稗の種が混ざったのか。蓮とどんな関係になるのか。まあー、見てみるのも面白いと思って、ほって置いた。さすがにどんどん大きくなって、逞しい。しかし、何か変だと思ってよくよく見ると、神丹穂の落穂からの発芽だ。昨年神丹穂をここで栽培したのだった。

神丹穂といえば、坊所の田植えが終わって気付いた。永塚田んぼから頂いた、一束が無いのだ。田んぼの一角に植えて、農の会の目印にしようと話していたのに、田植えが終わってみれば、どこかに植えてしまったのだ。これがまだどこだかわからない。色が着いてくれば分かるのだから、それも楽しいと思っている。どこかで一塊になるはずだけど。どの変になるかは検討もつかない。

昨年は神丹穂という事でいただいた目印のはずが、秋になっても一向に色が来ない。結局、何かが取り違えられて、呉れた物が、イセヒカリだったのだ。まって待って色が来なかったので、がっかりした。今年は、どこが色づくかという事で、神丹穂はいつもミステリアスだ。

庭の神丹穂は元気がいい。たぶん、どこの田んぼの苗より生育がいい。既に二次分結まですすんだ。それこそ開帳型に分結して、気持ちがいいほどだ。最近はすの葉の傘をかぶり始めたので、この後生育がどうなるかは分からないが、この調子なら、穂が出るまで行くに違いない。

神丹穂が湛水直播の形で、カルパー材なしで、よく発芽したわけだが、直播の田んぼで出来れば、言う事無い。実は何度か。直播の挑戦はしてきた。雑草との折り合いがつかず、今のところ諦めているが、今年少しヒントを得た。雑草が生えないという事の一つに、土をかき回さないという事がある。代掻きをしないで、不耕起で田んぼをやると、草はでない。だから基本的には直播で、草が出ない方法はあるはず。

今までは、レンゲなり、菜の花なりを冬の緑肥として育てて、春になってその中に種を蒔く、これは刈ってから蒔いた事もあった。そのまま、茂らせた中に蒔いた事もあった。この草との入れ替えが、上手く行かなかった。それなら、冬季湛水して、草を抑えてしまったところに、種を蒔く事は出来ないだろうか。水中では発芽が悪くなると思っていたが、神丹穂は全く稗のように生えてきた。

たとえ種蒔きを手でやるとしても、苗床作りや、代掻き、田植えの手間が無いなら、充分可能では無いだろうか。問題は、湛水で草を抑えた田を、陸にしたときどの程度草が来るかだ。稲が発芽し生長し、そこそこの水深に出来るまで、草が待ってくれるのか。この辺はやってみなければわからない。

小田原城の蓮は既に花が来ている。ちらほらだが、白い花が見えた。我が家の蓮はまだ、蕾も来ないが、白なのか、ピンクなのか。ちっちゃな花か。そこそこ大きな花なのか。7株はそれぞれ違う花を付けるのか。それとも似たような花なのか。庭でゆれる、葉姿を見ていると、なんとも優雅な物で、花まで期待したら申し訳が無い。さらに根まで食べようというのだから、随分欲張った話だ。

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