エコループセンター解散

   

エコループセンターが解散しました。
毎日新聞の記者から電話が入り知りました。
山北町の静岡県境に、巨大なゴミ処理施設を作ろうとした計画です。
大企業連合が出資し、神奈川県前岡崎知事が社長になり、行政一体となって支援した。悪夢のような事業でした。

見事にこの計画は終わらせる事ができました。
問題はしかし解決したわけでもありません。
国の指揮による、ゴミの広域化処理計画が、再燃してきました。

2000年に県に対し、反対意見を出しました。
今読むと状況がなんら変わっていないことが解ります。
人口の減少、世帯の老齢化(ゴミの出す量が減る)時代に入り、ゴミの減る時代が来ています。以下長いのですが。

        神奈川県 廃棄物処理計画の策定に対する住民提案
 県廃棄物対策課によると計画原案策定前に住民の生の声を聞くため県民討論会を開くとのことです。しかし、3時間の時間内に、設定されたテーマがすでにある以上、この問題に対して十分な意見を述べるには、限界があると思われます。そこで、久野住民の深刻な廃棄物問題に直面した、体験によって学習を重ねた知識を生かし、廃棄物処理住民案を策定し提案します。良く検討され原案策定に取り入れていただくよう希望します。
 今回県の廃棄物処理計画策定の背景には、厚生省が平成9年の通知「ごみ処理広域化について」から始まった指導があることは明らかでしょう。端的に言えば、西湘地域2市8町に高温溶融固化方式の焼却炉を1基、もしくは2基つくり、一般廃棄物と産業廃棄物を同時に処理する方式を目指す、「行政の結論は明瞭」と考えねばなりません。あっては成らないことですが、その道筋で進めるとするなら、改めて、県民討論会「広域化、溶融炉は是か非か」のテーマで開くことを、要求します。
 確かに、「広域化、溶融炉」計画案は深刻度を増す「ダイオキシン問題」と「焼却灰の埋め立て処分場確保不能」を緊急に解決するために提案された「緊急臨時処置」とも考えられます。
 しかしこの考え方には1)、地方自冶の独立原則の逸脱、2)、ごみの減量化の努力を無にする。循環型社会の創出への逆行。3)、ごみ処理経費の増大。4)、未成熟な溶融炉技術から起こる、様様な危険。5)、産廃処理の付けが住民負担に摩り替えられる危惧。6)、ごみの集中によって交通道路問題の発生。7)、一般廃棄物の減少予測に逸脱する。以上の理由で広域化高温溶融固化方式は、将来の住民に大きな負担を課すことになる事が確実なため、決して行わないことを要求します。
7つの問題点を順に説明します。
1)、地方自冶の独立原則の逸脱
 一般廃棄物は市町村、産業廃棄物は県という明瞭な権限の区分けによって処分されてきた歴史があります。それを「広域化」を打ち出すことによって、国による中央集権でごみを一体化で処分していくことが目指されることになります。これは市町村の自冶権を明らかに侵害することになり、見える形の、身近なごみ問題が、遠くのお上の問題に成って忘れ去られる危険があります。これは40兆円とも言われるごみ処理に関する利権が、目の届かない闇の中で国が左右するという不安なところでもあります。
2)、ごみの減量化を目指す、循環型社会の創出への逆行
 一般廃棄物の内「家庭ごみ」は住民の分別努力や、生ごみの自家処理、ごみになる物の不買、等の廃棄物に対する意識変革によって徐々にではあるが、減少方向が見えてきています。市町村単位の見える形で、初めて可能となる、リユース、リサイクルも広域化によって、崩れてしまう危険が大きいです。まして、溶融炉方式では一定量のごみはむしろ必要であり、分別も無意味になってしまいます。実際御殿場、小山ではRDF方式にしてごみは5%と増加したそうです。溶融炉で廃棄物を5%まで減量できる、と言うことは、大切な資源を95%無駄にすると言うことです。焼却0の循環型社会の実現を遠ざけてはなりません。
3)、ごみ処理費の増大
 建設費は一基300億円とも400億円ともいわれています。ランニングコストは数年で建設費を上回るだろうと予測されています。また高温のため頻繁に耐火部の交換が必要になり、炉の寿命も15年から20年程度と見られます。廃炉になれば、高度に汚染されている炉の解体処理費は、作業員の健康被害対策費用を含め、莫大なものになるでしょう。この莫大な費用が住民から見えにくくなります。またこの利権が確立してしまえば、雇用や景気対策から無理にごみを作るようなおかしなことが避けられないでしょう。
4)、未成熟な技術からくる、様様な危険
 原子炉と同様に、高温溶融炉はいまだ未完成な技術レベルのものです。廃棄物の性格上あらゆる物質の混合物が1200度C~1400度Cの高温で一気に溶融され、また一気に70度C迄冷却される、この特殊な環境下で何が起こるかは不明な点が多いい。炉内の温度ムラからくる化学反応速度の大きな違いがどんな問題をおこすか。その冷却水の爆発の可能性。また高温化で予測されない新たな変異原性を持つ有機塩素化合物の発生のおそれ。重金属がガス化し有毒ガスになって飛散するおそれ。重金属を多量に含む生成されたスラグからの、重金属の溶出防止が出来ていない点。など慌てて導入するには未完成なものと言わなくてはならないでしょう。
5)、産業廃棄物の処理が住民負担で行われる問題
 厚生省「ごみ処理の広域化」通知では、減少傾向を見せる一般廃棄物の10倍の量あって、いまだ増加する可能性を持った産業廃棄物の処理を、住民の税金によって作った炉で処理することが予定されています。本来製造者責任で処理すべき産廃処理費用の付けを、税金でまかなう部分が現れるに違いありません。循環型の生活を目指し、ごみを減らす暮らしを努力するものにとっては、この選択は耐え難いものです。無用で迷惑なものを作られた上に、その処理費まで負担させられることになります。
6)、ごみの集中化による交通道路問題の発生
 ごみを集中化させることで効率化出来る一面と交通のように、明らかに非効率になる側面があるでしょう。最終的には、一箇所の焼却炉に一般廃棄物で現状の3から10倍、加えて産廃で30から100倍のごみが集まることに成ります。道路交通からこの方法は一地域への負荷が大きすぎることは明らかでしょう。ごみだけのために道路工事を重ねる愚を行っては成りません。
7)、一般廃棄物の減少予想に反する
 住民の暮らし振りの変化が「ごみを出さない暮らし」へわずかながら動き始めています。この新しい流れを、溶融炉は「無」にすることになります。人口動向や経済活動の安定化からも、ごみは明らかに減少します。政府自身が企業の生産方式が循環型へ転換する予測しています。徹底的なごみ減量を図る自冶体によってはその効果は現れてきています。先ずその基礎となる予測数値の見直しをはかり、その上で廃棄物処理計画を立て直さなくては成りません。いつか景気がよくなればごみは増えるとか、住民は信用できないからごみ減量など出来ない、といった誤った観念から、増加するとの思い込みをなくさなければなりません。産廃の増加予測は製造者責任、発生源で素材からの見直し、生産者の処理費用負担を法律で縛れば、単純に減らすことが出来るものです。

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