少数派の役割を思い出して

   



 自民党が岸田政権が支持された。驚くべき事だったが、それを受け入れたうえで、出来ることをしてゆくほかない。もう諦めて政治のことなど見ないようにしたい気分ではあるが、それほど危険なことも無いと思う。このまま様々な政府の悪行を見逃すのは悔しいが、出来ることからしぶとくやるほか無い。

 さっそく、岸田内閣では10万円18歳未満一律給付という公明党への選挙協力お礼が決められた。全くのデタラメ政策である。コロナ対策というなら、もう少しましな方法がいくらでもある。こんなことも通ってしまうのが、選挙の結果である。これからはさらにおかしな政策が出てくることになるのだろう。

 独裁政権になりかねない状況を、どのように監視してゆくのかなのだろう。自民、公明両党と憲法改正に前向きな日本維新の会、国民民主党などの改憲勢力は衆院選で352議席となり、衆院の4分の3を占めた。 参議院ではすでに三分の二を越えている。

 但し来年ある参議院の前には動かないのではないか。先ずは参議院選挙でもう一度三分の二を確保してから、独裁主義政権に向けて本格的な憲法改悪に向かうと思われる。明治の御代に戻ろうと言うことになる。まさかと思うがこれも国民の選択なのかもしれない。

 日本国憲法は平和の理想主義憲法である。日本は今や理想を忘れた、夢の無い国になってきている。経済の衰退が人々の生活に迫っていて、夢どころでは無い気分なのだろう。生活に追われていれば今日明日のことだけになるのは当然である。

 貧困層が増大して格差社会が出現している。理想を捨てて、現実に目覚めようという社会の状況のようだ。明治時代の日本の軍事国家への道は農村の疲弊である。このままではダメだという思いが、列強に習い、日本も海外進出を目指すようになった。日清、日露の戦争である。

 中国の大国化が日本の軍事増強を誘発している。日本の立場の不安定化も、日本国民が岸田内閣を選択した事に繋がったに違いない。中国は世界支配を目指しているわけでは無い。経済競争に勝ち抜くと言うことが第一目標と考えていい。まだまだ、貧しい暮らしをしている中国人は多いのだと思う。

 日本の報道は中国の実情を伝えてはいない。多く日本人には中国も北朝鮮も大差ないように見えているのでは無いだろうか。中国は成熟した文化国家である事は間違いない。正直に言って、習近平政権の実体というものは分からない。危険な兆候は、いくつも現われてきている。

 第二の文化大革命のようなものなのだろうか。大企業に資本を集中させ、世界での競争に追いついた。そしてさらに追い抜こうかとしている。しかし国内には貧困層も多数存在するし、腐敗体質も相変わらずのようだ。習近平の共同富裕が社会的不均衡の是正をしようとしている事は確かだ。

 毛沢東が文化大革命を行ったことは、毛沢東が社会主義革命に際して考えていた理想と、国の方角が違ってきたことにあったのだと思う。毛沢東は主義として共産主義革命を目指したわけだ。しかし、実際の政治の状況としては中国という国の持つ様々な歴史的、文化的な限界が現われた。

 革命が一段落すると、そうした中国の持つ共産主義的な理想主義に反する、汚職やしがらみ政治が跋扈するようになる。毛沢東自身が排斥されるようなことになった。もう一度革命の原点に立ち戻ろうという第二の革命が文化大革命だったのだろう。

 第一の革命も同じ国民同士が殺戮を繰り返すような、無残なものであった。第二の文化大革命を理不尽なことが繰り返された。経済的に言えば、デタラメな改革が押しつけられた。農業分野でも大飢餓が起こるような失敗も起こった。

 経済的問題と思想的成果がない交ぜになりながら、中国の次の時代に繋がったのだろう。方角としては国家資本主義路線である。ともかく経済優先をして、貧困を撲滅することで、社会の様々な問題を克服する。その経済の高度成長は日本の数倍の速度で起こった。

 世界での経済競争が激しくなる中で、国家資本主義が有利になっている。中国はその有利さを生かしながら、一部の富裕層をこれ以上のさばらせない方向に転換しているのであれば、バブル崩壊のような経済破綻が少々おきたとしても、中国の方向は正される可能性はある。もう少し様子を見るべきだろう。

 日本でも高度成長で人心がおかしくなった。社会の倫理が失われた。黒い猫でも白い猫でもネズミをとる猫が良い猫だ。実利主義である。賄賂を集め汚職をするような奴でも、優秀で経済を発展させるものであれば、目をつぶろうと言うことになる。そうして中国は信じがたいほどの経済発展を起した。

 気に入らない日本とも経済のために平和条約を無理をして締結をする。日本の資本と技術力を導入した。尖閣問題なのどもそのために棚上げした。少なくとも中国にはそういう認識がある。南京虐殺問題なども言いたい気持ちを抑えた。経済のためである。

 中国が普通の国家になれば、日本も軍事国家を目指す必要は無くなる。ともかく中国と話し合うことが重要である。尖閣問題を残しておくことで、日本の軍国化の世論を扇いでいるのだろうが、今更そういう危険な冒険をしている場合では無い。

 アメリカの本音はトランプが体現していた。アメリカさえ良ければ他の国のことなどどうでも良いのだ。アメリカは自由と正義さえ、アメリカの国益に利用している理念に過ぎない。国内のいつまでも是正されない差別を見れば、自由と正義が建前に過ぎないことがよく分かる。

 それは沖縄の米軍基地の暴力を見ればよく分かる。守ってやっているのだから、何でも奴隷のように従えという態度である。基地から汚染物質を垂れ流し、沖縄県が抗議しようが、防衛局が抗議をしようが、環境省が抗議をしようが、まったく無視されている。

 その結果、水道水を汲み上げていた地下水が使えなくなっているのだ。こうした実情を見ていると、現在石垣島に作っている自衛隊基地が、アメリカ軍に共同利用されることになるに違いないと思う。オスプレーが飛来し、騒音に悩まされる日も来るのかもしれない。

 出来ることは少ないと思う。選挙では岸田内閣が支持され、改憲勢力がはるかに三分の二を越えたのだ。足下から、先ずは中山市政の横暴を変えるところからだろう。これほどすべてを公開せず、民主主義を踏みにじるものを、受け入れてはダメだ。ここからだろう。
 

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