台湾有事とウクライナ危機

2月1日の苗代直播き田んぼの様子。稚苗田植えをしたような状態まできた。
台湾有事とウクライナ危機は、本質としてはアメリカの関係する国際紛争である。アメリカと対抗する中国とロシアが、連携的に2つの危機を起そうとしている。力を分散させようという事だろう。揺さぶりを掛けている。ロシアの経済後退と中国経済の変化も影響している。
現状ではウクライナではアメリカの大使館員家族が引き上げるほど危機は迫っていると言われている。冬期オリンピック後が危ういと言われているが、米ロが衝突するような軍事侵攻が起こるとは思えない。代理戦争ならともかく、ロシアがNATO軍と正面衝突することは無いだろう。
ウクライナ危機は分かりにくいので整理すると。ウクライナがNATOに加盟する流れが起きている。それにはソ連の衛星国家であったウクライナの立ち位置の変化にある。ウクライナでは2014年2月、革命が起こり、親ロだったヤヌコビッチ政権が倒れ、親欧米新政権が誕生した。
2014年3月には、ロシアが新政権に対し危機感を募らせて、ウクライナからロシア系住民の多いクリミアの独立を画策した。そして2014年4月、ロシア系住民が多いウクライナ東部のルガンスク州、ドネツク州もさらに独立を宣言。住民投票の結果独立を宣言する。そもそもロシア帰属を良しとする地域である。この点ではロシアの主張は正しいと思う。
ウクライナ新政権は、ルガンスク州、ドネツク州の独立を認めない。無理があると思う。ウクライナ国内のロシア帰属勢力と新政権の間で内戦がはじまる。新政権を支援する欧米と、ルガンスク、ドネツクを支援するロシアの代理戦争の様相になる。2015年2月、ロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの首脳によって「ミンスク2停戦合意」が成立。以後、ルガンスク、ドネツクは、「事実上の独立状態」にある。
だが、ロシアに編入されたクリミアとは違い、ウクライナが事実上ウクライナから離れた、ルガンスク、ドネツク奪還に動く可能性は残っている。ウクライナ政府にとって、ルガンスク、ドネツクは自国領意識が強くある。そのため、ウクライナはNATOに加盟してロシアに対抗する方針になったのである。
それに対してロシアはウクライナのNATO加盟を認めないことを、アメリカやEUに約束させたいと、交渉を続けている。しかし、加盟非加盟はウクライナ自身が判断すべき事で、NATO側が判断はしないとして、ウクライナに対して軍事援助を始めている。
こうしてロシアはクリミア併合以来の欧米日本の経済封鎖によって、経済危機が続き、もしウクライナがNATOに加盟すれば、ロシアはさらに孤立すると考え、もうこれ以上譲歩は出来ないとして、軍を国境地帯に集結させて、軍事的行動の可能性を高めている。
一方、台湾有事に関しては中国習近平政権は5年以内に武力攻撃をもって台湾をに併合すると宣言した。習近平政権の絶対化のためと見える。ロシアのウクライナ攻撃と連携がある。両国ともアメリカとは経済戦争が起きているという共通項がある。この機会に両国が共同してアメリカに当たろうと言うことだろう。経済的に切羽詰まってきたと言うことにも見える。
問題は日本の岸田政権は、バイデン電話会談で共同して台湾侵攻に対抗すると約束をしたと言うことである。すでにアメリカは日本政府に対して、沖縄に対中国の最前線基地として、米軍配備を要請したと言われている。もちろん、内密にであるが。
それに呼応するかのように、石垣市長中山氏はなんと尖閣諸島の視察を行った。石垣市の標識となる石柱を立てようというのだ。中国を刺激しろという極右勢力からの要請に応えたと思われる。中国が反発をすれば、米軍の石垣島への進出が可能になる。
自民党では台湾有事に対して、日本の敵基地攻撃力を増強しろと主張している。何故、憲法に定められている。平和的手段を考えないのだろうか。岸田政権ははハト波的傾向言われたが、実際にはかつて無いほどの軍事主義政権である。
防衛費は倍増しようという方針を見せている。敵基地攻撃ミサイルの配備を、さらに増強しようという勢いである。アメリカとの同盟をより強化して、中国との軍事対立を煽ろうという姿勢だ。背景にはアベ氏を顔とする極右勢力がある。
日本の外交戦略は無いのだろうか。中国と何故軍事的緊張を高めてゆくだけの、一方的なものでは対立を高めるばかりでは無いか。韓国も台湾もアメリカと共同軍事訓練を行いながら、中国の冬のオリンピックに政府の使節を送ることを決めた。
岸田政権は米に対して従う以外のことが出来ない。敗戦国根性がにじみ出ている。そのどうしようも無い結果が沖縄に押しつけられている。沖縄が迷惑している範囲なら、大丈夫だというのが、岸田政権の姿勢なのだろう。そのお先棒を担ぐ、石垣市長にはまったくがっかりさせられる。米軍がきてくれれば石垣島が儲かるとでも考えている人がいるのだろうか。
敵基地攻撃ミサイルの配備は石垣島に予定されている。すでに宮古島には配備されてた。これは明らかに憲法違反である。どのように憲法の曲解をさせているのだろうか。国際紛争を武力によって解決しないと誓っている憲法なのだ。そのことで日本は戦争責任を果たそうとしてきたのだ。
日本国が殺してしまった数百万人の方々にどのような説明が出来るのだろうか。2度と過ちは致しませんと誓った日本の戦没者に対してもどのような言い訳が出来るのだろうか。何故、再軍備が憲法違反でないと言い張れるのだろうか。
アメリカはそれで良いだろうが、日本は独立国のはずだ。アメリカの防人は嫌だという権利は沖縄県にはある。当事者である石垣島の住民にはある。住民は3分の1以上の署名を持って、住民投票を請求した。中山市長に拒否された。住民投票をすれば、反対が大いに決まっているからだ。
この中山市長を防人の島の代表にしたのは、情けないかな石垣の市民だ。私もその一人だ。ミサイル基地が出来れば、台湾有事の際には石垣島が攻撃される可能性が出てくる。ミサイル基地など無ければ、無視され手通り過ぎるはずだ。わざわざ敵基地攻撃ミサイル基地を作る市長は、どこか病んでいるとしか思えない。
尖閣諸島に市の表示を立てるとイキリ立っている。そして中国を刺激するために、わざわざこの時期に中山市長は尖閣諸島の視察を行った。石原慎太郎以上に歪んだ人間だ。石原慎太郎はアメリカで尖閣を東京都が買い上げるとメチャクチャなことを主張した。
司法も政府もアメリカを忖度しているだけだ。中国が台湾に侵攻するときに日本は何をどうするつもりなのだろうか。具体的な戦略があるのだろうか。本来であれば、国際社会に対して、台湾の尊厳を守るための平和行動を日本政府が行うべきだろう。平和の道を探らなければならない。