11月のあしがら農の会

   


 秋の美しい空。春眠暁を覚えずで、小田原に来てからよく眠れる。今日は寝坊をした。寝坊をするようなことは久しぶりである。ほど良く寒くて、よく眠れるようだ。眠ることほど健康に良いことはないので、だいぶ体調は良いのだろう。

 来てすぐに畑、田んぼ、溜池と見て回った。欠ノ下の柿畑が例年にないほど良い実りだった。いつもはヘタ虫にある程度やられているのだが、今年は何故かヘタ虫の発生がなかったようだ。その上に当たり年だったのだろう。見事に進なりである。しかし、誰も収穫しないというので、収穫して石垣に送ることにした。

 石垣では柿はない。柿が出来ないこともないのだろうが、カキが売られていても内地から来たものしか見たことがない。みんなも書きが珍しいと言っていたことがあったので、のぼたん農園の仲間にお土産にしようと考えた。1時間半ほどで、手提げかご2杯収穫した。

 早速ダンボールに詰めて宅急便で出す準備をした。渡部さんがいつも手伝ってくれるので、上手く荷造りが出来た。そうしたらまだ余っている。特に熟し過ぎの柿が詰められないので余っている。これで柿酢を仕込んだらいいと思うと言ったら、早速ガラス瓶を出してくれた。いっぱいに詰めて暖かいところに置いた。

 柿酢はヘタまで入れる柿酢が貴重なのだ。これは売られていない。ヘタは心臓に良いと言われている。ヘタまで仕込みに入れて、酢にする。これを毎朝少し舐める。果物酢は簡単にできて、美味しいし、健康にも悪いはずがない。次に小田原に来るのが楽しみである。



 篠窪の秋の景色である。この色彩が何とも言えない見事さだ。みかん畑と秋の山。いつも描く風景なのだが、今回はまた特に良い。夏が暑くて一気に寒さが来るから、紅葉は美しい。年々気が大きくなって畑が見えにくくなってきた。しかし、みかんの類が美しく色づいているのが、目が覚めるほど美しい。

 早速、描き始めた。小田原に来るたびに同じ場所を描く。篠窪を描くのが楽しみなのだ。そして絵を今までに描いた篠窪の絵と較べてみる。自分の今が分かるような気がする。良くなったかどうかというのではなく、自分らしく絵が進んでいるかどうかの確認である。

 何か少し近づいたかもしれないと思えた。もしそうなら嬉しい。方角が間違ってはいないかもしれない。そんなことは考えても仕方がないことなのだが。日々の一枚である。小田原に来てこうして絵を描くことが、石垣で絵を描くことに大きな刺激になっている。目が変わるというか、目が覚めるという感じがする。






 舟原元治の溜池のカキツバタである。竹の棒が指してあるところに、一ヵ月前に来た時に移植したカキツバタがある。上手く全部のカキツバタも活着したようだ。これで池の手前側はすべてカキツバタになるようだ。これからはカキツバタの回りの草とりを丁寧にしようと思う。

 溜池の管理もいつまで続けられるかはわからないが、動ける間はやらせてもらうつもりだ。小田原市にお願いして管理を任せてもらったのだ。その責任がある。美しい場所にしたい。そう思ってカキツバタを植えた。美しいカキツバタが一面の場所になれば、必ず誰かが管理を引き継いでくれる。

 11株から始めたものが段々に広がっている。あと3年あれば、全面がカキツバタになるだろう。そうなれば、ちょっと見ごたえがある。草取りもいらなくなるはずだ。たぶん諏訪の原のざる菊園と並んで花の名所になるはずだ。それが舟原溜池の目標である。

 これは順調に進んでいる。問題はまだ管理を引き継いでくれる人が現れない点にある。今回下見をしたときに気づいたのだが、中央の堤防が水漏れをしていた。その為に上の溜池の水が少し浅くなっていた。早速翌日、渡部さんが付き棒とたこ(とんとん)を運んでついてくれた。かなり突いたのだが、上手く水が止まった。

 今回はこれで止まったので、大事にはならなかった。叩いて土手全体の土を占める作業は時々やらなくてはダメなのだろう。その分土を足す必要がある。2月には下の池の石垣からの水漏れを止める土木作業を予定している。この時にあわせて土を入れてついておきたい。ともかくこまめな手入れである。

 今回の農作業で重要な物は大豆の収穫になる。土曜日に参加するつもりだ。大豆は今のところそれなりによさそうである。ただ実が入るころに、雨がなかったので空の鞘がかなりある。大豆はかなり水分が必要である。だから畔大豆が良く出来るのだ。

 280キロの予測をしている。毎年みんなで収穫量当てクイズをしている。一番近い人が大豆が貰える。私は昨年大当たり。今年も当たるかな。みんなはもう少し多く予想しているようだが、どうも実の入り具合が、そのくらいの感じがしたのだ。

 今回はタマネギの苗を5種類買った。秦野の地場産ずジバサンズである。種類が多いというのでわざわざ行ってみた。これを石垣に持って帰り、植えてみたいと思っている。もしかしたらうまくできる品種があるかもしれないと考えてのことだ。石垣ではタマネギ苗はない。

 タマネギも作る人は居ない。できないのかもしれない。試しである。半分は小田原で植えて、半分は石垣に持ち帰るつもりだ。たぶんダメだと思ってはいるが、挑戦しないでダメと決めつけることもつまらない。もしかしたら、いつももしかしらばかりなのだが、たまに上手く行くことだってある。

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