学校給食費が払えない。

学校給食費が払えない子供はどれほどつらいだろうか。こんなことがいつまでも続いている日本はどう考えてもおかしい。石垣島では給食費の未納分が1千万円以上に累積しているとラジオは伝えている。かつてないほどの異次元の子供対策をするという岸田内閣は一体子供の姿が見ているのか。
異次元の対策と力説しながら、学校給食費の未納が問題になっているなど、信じがたいほどの政治の怠慢である。明日からでも学校給食費の無償化から始めたらいいではないか。それが出来ないなら、子供対策など口にしてはならない。
何故この程度のことができないで、子供を大切にすると言えるのか。子供を将来の労働力ぐらいにしか考えていないのではないだろうか。あるいは資本主義が必要とする消費者なのか。義務教育は誰にでも平等に無償が当たり前のことだ。夏休み明けになれば給食費は無償だ。
日本の社会は停滞に入り、じわじわ所得格差が見えない形で進行している。子供の給食費を払えない親の辛さを考えると、耐えがたいものがある。給食費の未納は小学校よりも、中学校に行き増加する。義務教育であっても、中学校の方が親の負担が増加するかあだ。
学校で子供が差別されていなければいいのだが。未納が分からないようにしては居るのだろうが、私たちの頃はなんとなくわかってしまったものだ。どれほど辛かったかと思う。子ども自身は未納のことを知っているわけだ。給食を食べるのもつらいことだろう。
そもそも義務教育で給食が有料という事の方がまったく不自然である。ところが給食費問題を調べてみると、払わない親に対する不当性を遣り込める論調が目立つ。何という世の中になったのかと思う。払わないことを犯罪行為であると決めつけている人までいる。世知辛い世の中のためか了見が狭すぎる。
問題は異次元の少子化対策をするという政府が、何故いつまでも給食費をとるかの方にある。給食費を無償化すべきだ。給食費の平均は5000円程度だそうだ。年間で5万円ぐらいだ。子供のために5万円が出せない日本国なのだろうか。これはお金が足りないからではなく、給食費は自分で払うべきだという考え方から来ている。
日本政府のこうした考え方によって、少子化が深刻化してゆくことだろう。子供が大切だと考えるのであれば、給食費を払えない子供のことを真っ先に考えるはずだ。異次元の子供対策どころではないではないか。せめて義務教育の間は、平等な社会でありたいではないか。
貧乏人の子沢山は卑劣な言葉だ。さすがに今は聞かない。給食費を払えない親は子供を産み育てる資格がないとでも考えているのだろうか。とんでもない国である。「最後には生活保護ある。」あの菅元総理大臣の捨て台詞がよみがえる。最後にならないようにするのが政治だ。
生活保護を申請すれば、給食費は免除になる。だから給食費は無償化の必要がない。こういう主張をする専門家がいる。人間の魂を持っているのかと思う。誰しも心のある人間なのだ。問題は考え方である。子供時代ぐらい平等であってもらいたい。何を大切に考えるかである。
全国では無償化の自治体が増えている。国がやらないのであれば、自治体がやろうという事だ。全国を無償化して国の予算にすると、5000億円と言われている。5000億円を子供のために出せないという日本でいいのであろうか。自治体の考え方で、給食費が有償の地域があるのはまずい。子供を大切にする地域に移住するのではないか。
これでは貧しい中山間地が子供を大切にするという地域ではないという事を国民に示していることになる。すでに無償化している自治体がかなりあるから、新たな税金の出費としてはこの半分くらいになるのかもしれない。これは地域格差の是正でもあるのだ。
無償化を国が行えば、給食をやらない地域は損をするではないかという意見もある。何ともみっともない意見だ。給食を始めればいいのだ。戦後の子供たちが栄養失調にならないで何とか生き抜けたのは、学校給食のお陰だと言われている。同級生の弟さんで栄養失調で亡くなった子がいる。
宮古島は無償化しているのに、石垣島では有料である。こういう違いはなぜ起こるのだろうか。宮古島の方が子供を大切にしているという事になるのだろうか。まさかそんなはずがない。島の人口減少を食い止めるためにも学校給食の無償化を石垣島でも進めて欲しい。
神奈川県では82%の中学校で学校給食自体がない。これはまた別の意味でひどい。神奈川県の各自治体の求職及び中学校の教育に対する考え方がおかしいのだろう。給食は学校教育の一部ととらえるべきものだ。食事を修行と考える仏教の考え方からすれば、学校で食べる給食は明らかに食育と考えなければならない。
食育であるとすれば、弁当でかまわないという考えは少しちうだろう。大体弁当を持たせられる家庭は少ないのではないだろうか。最近の暑い夏では昼までに悪くなる心配もある。中学生に500円持たせたら、100円のパンを買って、400円は無駄遣いをするだろう。ダイエットだと言って、食べない女子中学生もいるだろう。
給食を教育の一環だとして、せうふがその費用を負担し完全給食にした方がいい。そうしてよい食事の在り方を学校で学んでもらう。家庭での食事が相当に不十分な家庭があるらしい。ご飯と納豆だけというような、食事で我慢している場合もある。
ちゃんとした食事を昼食1食だけでも子供たちに食べさせた方がいい。子供の時代の食事がおかしいと、心もおかしくなる。子ども自身が食事を自分でしなければならないと、偏った食事になる。それを補うものが学校給食であってほしい。まずは給食費は無償にするところからだ。