石破氏有機給食を確約

水牛のさくら、19歳。5月が出産予定。水牛はあと2ヶ月になっても、妊娠しているか、していないのかはまだわからない。野生の動物はそういうことなのだろう。それでも最近よく食べて、ずいぶん太った。いくらでも青草のある、のぼたん農園の冬のない良さである。
久保田祐子さんから以下のメールが来た。日本有機農業研究会の副理事長である。久保田さんは小田原の住人であって、あしがら農の会の古くからの会員である。有機農業塾でも長く耕作をされていた。國學院大學の教授でもあった。織り座農園の窪川さんから紹介されてからの仲間である。
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
議長 石破内閣総理大臣。
石破大臣 ご指摘の通りでございます。地産地消と同時に有機農産物というもの、つまり、目に見える形で、誰がどのように作ったのいうことが子供たちにもわかるようにしていくということは極めて重要なことであって、どこの誰が作ったかわかりません、どのように作ったかわかりませんと、これが健康に対してどのような意義があるかわかりませんということであっては、学校給食法の趣旨にも食育基本法の趣旨にも反することは、私は思っておるところでございます。
さればこそ、地域地域によって特性がございますので、地方創生交付金というものを、この実現に向けてご活用いただくように、政府といたしましても努力をいたしてまいります。
(発信 久保田裕子 日本有機農業研究会 2025.37.)
有機農産物の学校給食への導入は、30年前からあしがら農の会として、佐々木ナオミさんと一緒に、小田原で進めてきたことだ。佐々木さんが今度衆議院議員になり、なんとしてもこれだけは実現する。と言われていた。学校給食と有機農業の推進の公約が、実現した。時代が有機農業に動いていることがわかる。
日本では有機農業者の数が少ないと言うことがよく言われるが、実はあれは嘘なののだ。JAS有機基準の認定を受けている人を考えれば少ないと言うことだ。そうだ有機基準の推進をしたのは久保田さんだった。確か国の委員もされたはずだ。
のぼたん農園も、あしがら農の会も、有機基準で耕作しているとはいえるが、統計的には有機基準に入ってはいない。私の知る有機栽培と思える人でも、JAS認証を受けている人はほとんどいない。さらに言えば、農家の方でも、自分の食べるお米や野菜だけは、農薬も化学肥料も使わないという人は結構いる。
また、有機農業でやってはいるが、お隣の田んぼが有機でやっていないので、有機JASはとれないという人も少なくない。のぼたん農園に顔を出す人は、説明などしないでも当然有機栽培だと見ている。私の印象では30人に1人ぐらいは有機栽培でやっているのではないかと言う感じだ。
今月号の「現代農業」は有機農業特集である。最近の現代農業は農薬やら、化学肥料の広告が減った。記事も農薬の使い方など滅多にない。読者層が変わってきているのだろう。現代農業は農業ファーンの読者が多い。東京が一番売れると言うことらしい。
佐々木さんが市会議員になり、県会議員になり、衆議院議員になった。最初にキャプテン(後援会長)になり、選挙カーに乗り、背中を押した人間として、喜んでも良いことなのだろう。あしがら農の会の「地場・旬・自給」の活動は本質を突いているのだと思う。いよいよ、小田原の有機農業の米飯給食が始まるだろう。生産農家を広げるために頑張らねば。
石破氏は今までの自民党の総理大臣とは少し違う。有機農業の推進を学校給食から進めよう。しかもその費用を地方創生資金から出そうというのだ。佐々木さんが当選し、自民党が少数野党になったことも、大きく影響している。こうしてみると少数与党も悪くはない。
石垣市はどうだろうか。学校給食に有機農産物を導入できるだろうか。米飯給食に有機のお米を入れられるだろうか。石垣島祭りで、ビギンの比嘉さんが市長を前にして、学校給食は地場産のお米でやってほしい、と直言したことがあった。その後、市長には進める気配すらなかった。石破氏とはやはり違う。
有機のお米となれば、石垣島で生産されている量はほんの少しである。実際に有機農業で石垣島でお米を作ることは極めて難しい。亜熱帯の有機農業は困難が沢山ある。害虫、害獣、害鳥の多さ。病原菌の多様さ。有機農業技術は熱研にもない。沖縄県石垣農業研究センターにもない。
石垣島では私が知る限り、今は下地さんただ一人だ。その下地さんも有機農業技術で苦労をされている。そもそもお米の収量が沖縄県はかなり低い。台湾には大きな有機稲作農家がある。台湾向きの米品種もある。石垣島で出来ないはずはない。台湾の有機農業に対する意識は、日本よりかなり強い。
のぼたん農園でも、まだ有機農業技術は確立されていない。あと3年はかかるだろう。農家が取り組むとしたら、安定した技術でなければならない。何という品種を使うか。いつ播種するか。慣行農法の田んぼからどのように切り離すか。まだ、課題は山ほどある。
困難であるとしても、石垣市は今日から取り組んで行かなければならない。子供たちのためだ。学校給食を有機農産物化しなければならない。それが国の方針なのだ。地方創生につながると総理大臣が主張している。確かにその通りだ。田んぼを少しでも残すことが石垣島の自然環境を守ることになる。
石垣島の自然は2次的自然なのだ。太古からの自然は西表島にあるが、石垣島の自然は人間が作り出した自然がほとんどである。手入れが必要な自然ともいえる。暮らしが作り出した、里地里山の自然なのだ。その中でも田んぼを守ることが環境のためには大切なはずだ。
石垣島が経済的に維持されるためには、観光産業の充実しかない。しかもその観光はゴルフ場とか、リゾート開発ではない。石垣島の豊かな自然を材料としたエコツーリズムである。美しい海、美しい山、美しい里山がなくなれば、魅力ある石垣島ではなくなってしまう。これは基本だ。
まず、カンムリワシ田んぼ登録から始めたらどうだろうか。そして、有機栽培で作れば、学校給食で買うことを行政に約束させる。その経費は地方創生として国から出してくれるのだ。石垣島行政に負担になることは全くない。販売できるとなれば、石垣島の気候を熟知した優秀な農家の方々が有機農業に取り組んでくれるはずだ。
石垣島では今も困難な気候の中、慣行農法で良い稲作をされている。必ず実現できるはずだ。一定の地域を有機農業地域として指定すると言うこともある。例えば周辺の田んぼから独立した地域を、要望に応じて地域指定をする。私の知る限りそうした場所は石垣島では少なくない。
そして行政が有機農業申請を行政が手伝う。申請費用の補助も行っている行政は少なくない。希望者に寄り添い、有機農業への導入の壁を取り除くことが養成の役割のはずだ。行政も忙しいとは思うが、石垣島の未来にとって、重要なことになるはずだ。石垣島が有機農業の島になるまで頑張れば、いよいよ石垣島は天国に一番近い島になる。