ひこばえ農法、確認点

   



 ひこばえ農法はなかなか難しい農法だと言うことが、やるほどに分かってきた。どんな農法でもそう簡単な方法があるはずがない。簡単な物ならば、すでに世界中に普及しているはずだ。いくつかの課題が見えてきたところだ。

 一番の問題点は、再生した稲がすぐに幼保形成期に入る問題。これは稲刈りを早めに行うことで、逃れられると言うことだが、現在試験中である。9月27日と28日に早めに稲を刈払機で刈った。それから1週間経過したところが、上の写真の稲である。稲の周りにある緑色のものがアカウキクサである。


 一番田んぼは現在一面のアカウキクサである。かなり密度が濃く重なりあうように出ている。ここまで来れば緑肥と言える量だろう。当然この覆い方であれば、したからざっそうが発芽することはない。

 課題1。アカウキクサで草が抑えられていて、切り株から、ひこばえが出てきたところである。1週間ですでに2葉期である。後2週間ほど育てて、幼穂が形成されないかを確認する。穂が形成されないならば、ひこばえ農法の最初の重大な課題が克服されることになる。

 課題2。病気である。病気の株が増える感じがする。病気の出た株からの再生では、ひこばえも病気が出る確率が高い。有機農法で栽培すれば、一定の病気は出る。モンガレ病などがでる。それがひこばえに持ち越されないかと言うことである。これもまだはっきりとしたことは分からない。

 課題3.雑草の問題である。雑草が繁茂を始めれば、代掻きをして雑草を一度抑えると言うことが出来ない。雑草が出ないように、徹底した抑草対策をしなければならない。今のところ、幸いなことに田んぼには田んぼ雑草はないから、この状態をどこまで保てるかである。


 熱帯睡蓮のティナである。2番溜め池はかなり覆われるほどになってきている。睡蓮の葉で覆われたために、コナギはなくなった。溜め池からコナギが田んぼに入ることは何とか防ぐことが出来たようだ。

 課題4。肥料の問題である。現在アカウキクサを栽培して緑肥にしようと考えている。アカウキクサを何度か漉き込んで、緑肥にしてゆく。腐食を増やす。また、溜め池にはミズオオバコと睡蓮を繁茂させ、その水が田んぼに入ることで肥料分を補う。これだけではひこばえ農法を続けるには足りないだろう。

 山から落ち葉を拾ってきて田んぼに入れることにする。これは年数回は行いたい。また、水牛の糞も集めては溜め池に入れる。溜め池から各田んぼに水がまわりながら、肥料分になるようにする。水牛の糞集めもこれからは定期的にやりたい。

 今年はよみがえり堆肥をできるだけ使わないで稲作を行いたい。購入するものを極力減らしてゆくことが今年の目標である。可能なはずである。もし余裕があれば、光合成細菌の培養も行い田んぼの環境改善と肥料として使いたい。

 これからの実際の予定を立ててみる。10月半ばまでにひこばえの再生試験を終わる。茎を切ってみて、幼穂が形成されていないかを確認。その後は10月中は田んぼの荒起こしと石拾いを行う。石拾いが終わったならば、田んぼの代掻きにはいる。今回の代掻きはかなり徹底した水漏れの起きないところまで行う。

 この間に8番田んぼを7番のすぐ下に移動する。8番、9番、10番は現状では水管理が難しい。そこで、今後新しい溜め池を作りで対応を考えることにして、先ずは8番を上に移動して、水が2番田んぼからも回せるようにする。これで8番までを安定した水管理の田んぼに出来るはずだ。

 この時点で、0番田んぼを今年どうするかも決める。田んぼを止めて、溜め池を広げた方が良いか。このままもう一年様子を見た方が良いか。8番を移動して、1番から8番までの全体を代掻きをしてみて、水がどの程度まわるかを見て決めるのが良いだろう。

 これらの作業は11月半ば、遅くとも11月末までに終わるようにする。11月下旬の良いタイミングで、一気に直播きを行う。鳥が出てきているので、鳥の害が起きないように、場合によっては全面を防鳥網を張ってしまうことも考える。黒い糸を徹底的に張ることが良いかとも思っている。白い紐をバタバタさせておくのも効果的かと思う。

 田んぼの整備と同時に、田んぼの間の畑の整備を行う。現在の状態では石が多く土が少なすぎる。幅は狭くても良いからトラックターが通れるくらいの畑はしっかりと作る必要がある。今度は軽トラダンプがあるから、上の畑から土の移動を行い。畑の整備をする。

 天水田は4mの畦がしっかりと必要である。ここを固めることで少ない水が有効に使える。水は一年を通して枯れること無くあることが分かったのだから、この水を使い2反の田んぼを旨く管理することが今後の課題になる。畦を広くしっかりと作り畦の畑として利用する。

 畦の畑には今年はソルゴ
ーを植える。ソルゴーは風よけに良いと言うことが分かったから、3列ぐらいにソルゴーをまけば、かなり風よけには成る。このソルゴーを1年目は漉き込んで腐植を増やすことを目標にする。畑で実際に作物を作るのは3年目で良いかと思う。

 11月中旬あるいは12月初めに種を蒔いた稲は正月には5葉期を迎えるはずだ。5月中旬には稲刈りと言うことになる。早めに稲刈りをして、ひこばえ農法に入ることになる。9月にはひこばえの稲刈りになる。

 2期作として考えた場合、比較的早く2期作が終わることになれば、台風を避けることも出来るかも知れない。その意味では12月初めの種まきは良いかも知れない。ただし、寒さで発芽が出来ない場合も無いとは言えないので、まき直しの覚悟はしておく必要がある。

 

 

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