10年後の日本の10の予測
牛舎から見る名蔵湾
「10年後の自分を語ろう」からのパクリである。確かに10年後を思い描いてみると、見えてくることがある。未来の姿から、今何をすべきかを考えるのは良いことだ。今をひたすらに生きることができるのは、未来展望があるからだろう。
10年後の私は生きていれば、80歳である。なんとか今の調子で絵を描けるのはこの10年の間だろう。なんとか10年で結論まで行かなければならない。その後があれば、おまけのようなものだ。
日本も10年後の姿を思い描き、今どうするかを考えるのはいい。韓国とは仲直りしていて欲しい。アメリカが馬鹿な戦争をしないで欲しい。というようなこともあるが、もう少し具体的に現実の姿を想像しなければならないだろう。これから予測するが、10年後当たっているか、確認ができればと思う。なんとかそこまで生きているつもりである。
1,人口が一番具体的な未来を表す。日本の人口は1億2千万人を切る当たりになる。そして、65歳以上の人口が、3分の1を超える。20歳以下の数は減少を続け1600万人になる。労働人口対老人人口から見ると、一人が一人の老人を抱えている姿になる。過去そんな国はどこにも無かった。一方、世界人口は相変わらず一年1億人は増えて、85億人になる。
2,気候変動が激しく、過去に無いような気象災害が頻発するようになる。年平均気温は今より、1,5度から2度上がっている。日本近海の海水温も1.5度上がる。東京の夏の夜間温度が28度になる。日本では40度を超える日が普通になる。冷暖房が無ければ、暮らせない状態になる。海水面も今より30センチも高くなり、高潮被害など繰り返される。巨大台風が毎年何度も来る。豪雨が当たり前になる。
3,日本人の80%が、都市生活者になっている。地方社会でも中心都市の生活者は増加して、中山間地の市町村は消滅がすすむ。消滅地域が広がって、半分ほどになって居る。再利用不可能な耕作放棄地が広がり、農耕地の面積は400万ヘクタールまで減少している。食糧自給率は変わらず35%。
4.再生可能エネルギーが主流の社会になっている。化石燃料は余り使われなくなる。電気自動車が当たり前になり、ガソリン車の新車販売は禁止されている。原発は始末ができないことでおおきな負担になる。施設が終末期を迎え電力会社の大きな負担になる。日本は再生エネルギー分野では後進国になっている。
5,情報化社会が否応なく進展し、プライベートな世界はほとんど無くなっている。政府や企業の情報の管理方法が、重大な問題になっている。情報化が進まなければ社会が成り立たない状況になっている。犯罪抑止や、効率化のために、プライバシーは問題にもされにくくなる。
6、世界は武力戦争から、経済戦争の時代に変わる。経済戦争が激化して、追い詰められて倒産する国家。合併されて行く国が現われる。経済戦争は情報戦争でもあり、国家間の情報コントロールが戦争と言える時代になる。国家間の経済同盟が重要になるが、それ以上に国を超えて存在する巨大企業が世界を実質動かし始める。
7,軍事力ではIT兵器が一般化している。生物化学兵器も脅威となる。原子爆弾抑止力時代の軍事力バランスとは大きく状況が変わっている。IT開発能力が軍事力の重大な要素になっている。基地や兵員の意味は後退している。優秀なIT技術者の存在が軍事力を意味するようになる。人工知能の力をかりて、政治でも、医療でも、裁判でも、企業経営でも行われるようになる。普通に人工知能を誰もが参考にするようになる。行政の判断も人工知能の力に依存するようになる。
8,環境問題は解決を見いだせず、さらに深刻化している。土壌や海洋へのマイクロプラスティックの混入が年々増大するが、解決方法は相変わらず見つけられない。人体への蓄積が実際の病気として現われるようになっている。
9,外国人労働者は日本社会には適合できず、結局上手くゆかない。日本社会の変質や、混乱が外国人労働者の存在によって、表面化して行く。それが下層階級の不満になり、暗い社会の側面が目立つようになる。労働のロボット化IT化を進める以外無くなる。介護のロボット化。医療のロボット化。
10、人間の役割は創造的分野に限られて行く。人間のやるべき仕事が変化している。創造性や、楽しむ力が、人間の力量になる。今までに無い発想を生み出せるかどうかが重要になる。技術的分野であれば、例えば絵画などは人間以上の技術というものが登場している。たとえば、発想力のある3Dプリンターが立体作品を制作する。想像力における人間力が人間の違いになって新しい階層が生まれ始める。
10年後を10考えてみたが、悪くなる予想にならざる得ない。この10の前提で、自分がどう生きるかである。私が若いのであれば、大都市には住まないで自給自足をもう一度やってみたい。今の知識でやるなら、さらに面白いと思う。
ササドリの作出ももう一度挑戦できるかもしれない。温暖化は自給自足には悪くない面もある。地方が過疎化していれば、汚染の少ない水の豊かな場所を使うことができるかもしれない。私は生きているのか死んでいるか半々である。そういう10年であると言うことを考えながら、できる限り充分に生きようと思う。