まごの森の子育て園(仮称)

   

 
 小田原の久野諏訪原に、近藤植木さんの植木の圃場がある。ここを子供が自由に遊べるような場所にする企画を立てている。広さは6反ある。圃場部分の面積で5反ほどだ。直径が一メートル近い大木が10本はあるだろう。全体では500本ほどの木があるのだろうか。
 
 この森は長く園主のまごのりさんが除草剤を使わず、有機栽培で維持してきた珍しい植木圃場である。普通であれば、植木の圃場は除草剤を使う。有機栽培が植木では付加価値にならない。それを草を手で抜き、手刈り除草で維持してきた。環境に対する思いがとても強いのである。
 
 今も植木の圃場としては管理されているのであるが、大木がドンドン流通するような時代ではなくなったらしい。そんなときに大豆の会で倉庫を使わせてもらえないかお願いした。そして今年の1月には、ここで味噌造りもやらせてもらった。
 
 味噌造りは大きな鉄釜を運ばなければならないので、大きな倉庫と隣接して、活動できる場所が理想的であった。力仕事を担う若者が減少した。大豆の会としてはありがたいことだった。草管理を一度くらいはやらせていただけないかと言うことになっていた。
 
 ちょうどその折に、この素晴らしい森の環境を生かせないかとマゴノリさんからも相談があった。まず一度草刈りをして、考えてみようということになった。草刈りをしながらこの森の素晴らしさを痛感した。
 
 大豆の会のメンバーが10人ほど集まり、草刈りをした。2時間半あまりの作業になった。大勢で草刈りをすれば、それほど大変なことでも無い事も分かった。都合の良いときに半日草刈りをすれば、自分の担当区画はなんとかなる。
 
 ここには果樹もある。珍しい木もある。まだ木を植えられる空いた場所もある。そこで、10人くらいのメンバーで自分の木を決めて、その木になる実は収穫して良いというのは道だろう。条件として、5反歩くらいの面積の草管理をする。木が売れてしまうこともあるが、そのときは又新しい木を植えればいい。
 
 植木場の草刈りをして、その代わり自分の木を植えさせて貰う。こういう考えが出てきた。樹木の会を農の会の中に作ってみようと言うことになった。先日の定例会で活動が承認されたので、募集が始まった。すぐに希望者10人は集まった。
 
 参加募集の際に自分の木にしたいという希望を出して貰った。案外に重ならないので、驚いた。梅、ジュンベリー、柑橘、薬草、亀甲竹、泰山木、モチ、クロガネモチ、などである。
 
 今後のことは決まっていないのだが、遠くの目標は子供達が自由に遊べる「自分の森」である。オジィーが手入れをした森で、子供達が遊ぶと言う空想。遊びながら、生きる力を高めてゆく。
 
 今の社会では、やりたいことをやれるという範囲が狭まっている。やっていけないことばかりの社会である。たき火などできる場所が無い。公園の落ち葉を集めて燃やす事さえできない公園。子供が生活力を高めるような自由な冒険の場が無い。こんなことで子供は生活力を持てるのだろうか。引きこもる人はこういう生活から生まれているのではないだろうか。
 
 私が自給生活ができたのは、子供の頃の向昌院での暮らしで培った生活力である。誰に教わったものでもない。思いっきり遊ぶことを通して、どうすれば水をせき止めることができるのか。どうすれば雨の中でもたき火ができるのか。竹馬や竹とんぼを手を切りながら作ったこと。地下の小屋を作って埋まったこともある。ツリーハウスを作りみんなで泊まった。鶏だって一人で工夫して飼った。誰に教わったわけでも無いが、面白くてやっていたことがその後の生活力になった。
 
 そういう暮らしを通して、自由に生きるという感覚を得たのだと思う。次の世界を生きる人たちにも是非あの生活感を獲得して貰いたい。そうした場を作ることは大人の責任でもある。
 
 参加希望者はあるいは協力したい人。ササムラまで連絡をください。すでに、定員の10名にはなっていますが、もう少しであれば、受け入れ可能かと思います。
 
 
 
 

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