石垣島凧あげ全国大会。
石垣島は7月に入り夏が来た。気温的には6月から30度は超えていたので、7月にはり暑さが、急に深刻になったというわけでも無い。石垣の暑さは湿度を伴う。普通が80%の湿度である。晴れていてもそのくらいの日が多い。
真夏の気温は関東よりは低い。全国の天気予報で、今日も日本一暑いぞ。と言うことは6月までである。7月に入ると、あちこちで日本一が登場して、石垣島は一番を陥落する。
しかし、湿度日本一は続いているのでは無いだろうか。ともかくムシムシ、じとじとである。絵を描いていて、風があるのに水彩画が乾かない。乾きが遅いので発色が良いと言う恩恵もある。
夏と梅雨も、それほど違わないのだが、空が「なつぞら」になる。なつぞらの中、第19回凧揚げ全国大会が開かれた。風はいつもあるから、心配ないが、問題はなつぞらが来てくれるか。当時は最高の晴天になった。
強烈な暑さである。風速は四メートルぐらい。凧は素晴らしく舞い上がった。最高の凧はクバ凧である。クバとはビロウの葉である。石垣凧の会の会長が考案されたものだそうだ。
これをスポーツ・カイトのように飛ばす。空で生きものになる。風の中を泳ぐ。この冒頭の写真のクバ凧は全国大会でもその独創性と、美しさで、優勝したことがあるそうだ。もう凧というものの概念を壊してしまうほどの、びっくりぽん。
クバはクバ笠やクバ扇で名を知られている。今でも一般に使われている。樹木名はビロウ。沖縄では神聖な樹木とされている。御嶽にも大きなビロウの木がある。公園にもいくらでもあるし、山にもある。ビンロウジュと名前も見た目も似ては居るが、違う樹木である。
クバ凧の作り方を教えてくれたのだが、なかなか奥が深い。まずは葉は緑のものを採取し、一年間保存する。葉は枯れたものではダメ。日陰に出た葉が柔らかくて良い。風当たりの強すぎるところのものも傷があることがある。保存した葉は一年経過したころ、水に一昼夜漬け込む。柔らかく又膨らむので、レンガなどを使い平らにのばして重しをする。又一昼夜するとパリッと伸びてもう戻らないしっかりしたものになる。これに糸を付けるだけで凧になる。
スポーツカイトにするには、左右2カ所に糸を付ける。普通の凧であれば、一本でいいのだが、糸張りがかなり難しいそうだ。又、裏には竹を貼るのだが、竹の位置は糸張りと関連するだろうから、難しいところがありそうだ。
石垣の伝統凧もある。8角の伝統凧から糸を降りてきて、花びらを散らす蝶のからくり凧もある。ミクロネシアの島々では凧を通信手段にしたと言うこと読んだことがある。石垣と竹富、西表ぐらいなら、凧で充分連絡が付く。
凧には絵を描きたい。石垣の伝統凧には中央に日の丸がある。本来は中央は白いだけであった。何かなー。と日の丸を入れてしまうところが石垣の文化だ。最初は小さな赤丸だったそうだ。それがだんだん大きくなって、今は完全に日の丸である。
クバ凧に、墨でシーサーを描きたい。安寧祈願凧。クバの葉の採取場所も教えてくれたのだが、これは秘密にしておく。