子供虐待事件の増加

   

2018年に虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した子供は前年比22.4%増の8万104人で、過去最多を更新したことが7日、警察庁のまとめ(暫定値)で分かった。摘発件数も同19.1%増の1355件で最多を更新した。14年からの5年間で通告人数は2.8倍、摘発件数は1.8倍にそれぞれ増えた。--日経新聞

凶悪犯罪は減っても家庭内の事件は増加する社会なのだ。階層社会の矛盾が弱い家庭が病んでしまい、膿を吹き出す。国会でも子供虐待死の事件の質問が出ている。安倍総理大臣は子供の虐待事件が2度と起きないために、関係閣僚会議を行い関係者の連携を強化する、かなり必死の形相で答えていた。前回の目黒の事件の時の同じで答弁である。残念ながら、結果がでないからまた事件が起きたのだ。児童保護施設と警察と学校と教育委員会の連携をしなければならない。総理大臣以上の権力者は居ないのだから、総理大臣が本気でやってできないのであれば、もう日本の社会を諦めるしかない。安倍氏は前回の繰り返しではなく。実際に組織改革。連携の強化を計る義務がある。

子供のことを思うと地獄である。親にいじめ殺されるというようなことは、ひとつでも在ってはならないことだ。昨年の目黒の事件も、今回の野田の事件も、児童相談所が状況把握をして、保護預かりまでしていながら、判断を間違ってしまったという事件である。前回も、今回も、仕組みを見直せばなんとか救う事が出来た可能性が高い。警察が介入するべきなのだ。目黒事件の時にもさんざん言われたことだ。そして、総理大臣がやれと言えばできることだ。それをまだやらないでいる千葉県の森田知事。東京の小池知事は何を考えているのか。児童相談所の記者会見では、忙しいとか、他の緊急対応があり、対応がおろそかになった。とうつむきながら答えている。もし忙しいのであれば、人員の増加が必要である。子供の保護に落ち度が起こるほど忙しい職場では、目的である児童福祉を果たすことができない。対応の人員を増やすとすれば、まず他の機関との連携である。どんな事案であっても、単独で判断をしない組織作り。助言をする人を加えることだ。助言者は法律の専門家や、犯罪に関する専門家が良い。それは警察や弁護士だ。第三者を加えた会議を定例で行う。

今回の事件では犯人は沖縄観光ビューローというところの職員とある。職場では能力のあるひとで、一度沖縄の職場を止めたにもかかわらず、東京で同様の仕事に再雇用されている。社会的におかしな人であればそういう事はないだろう。社会的には無理をして対面を維持できる。一方で家庭が崩壊していて、家で子供をいじめている人だというような、異常なのだ。しかし、犯罪者といつも接触している警察であれば気付くところがあるはずだ。児童相談所のようなところにしてみれば、警察では違和感があるだろう。守ることが目的の児童相談所の考え方は、性善説である。それはとても大切な基本姿勢でもある。その在り方で救われている人が、たくさんいるはずだ。その一方で社会は地域が失われた。家庭は孤立して変貌してきている。追い込まれた人間が家庭内で狂気に変貌する。こうした家庭の実態に児童相談所の意識が追い付いていないと思われる。その為に甘い対応が繰り返されるのだろう。

異常な親が存在するのと同様に、充分ではない児童保護施設の職員がいる可能性はいつもある。少人数で判断しない。他の立場の人が加わり対応を相談する。協力を仰ぐことが率先される組織にする。前回の事件の後、児童相談所の職場の環境は何も変わらなかったと報道されている。今後児童相談所と警察等の連携。このことだけは総理大臣の指示で、実現してもらいたいと祈っている。誰しも、殺人を犯すような異常な親が相手なのだから、恐怖で判断を間違う事もあるだろう。忙しくて見落とすこともないとは言えない。職員が完全に組織に守らる安心感を持って、親と面談できるような条件を作る。親の権利というものは確かに重い。ついつい、親の言い分に従いやすはずだ。面談場面は記録を残す必要がある。音声記録は保存する。そして第3者が必要に応じて確認をする。警察ならおかしな親を見抜くことが出来る人がいるはずだ。警察というものは人を疑うものだ。児童相談所は人を信じる組織だ。総理大臣がかなりの形相で、子供を救うと断言した。これで出来なければ、演技者なのか。お飾りという事になる。今度こそなんとかしてくれ。

 

 

 - Peace Cafe