石垣、街散歩

   

石垣、町散歩。天気さえよければ歩いている。写真は石垣氏庭園。

 石垣は散歩の街だ。一つ新しい角を曲がれば、違う街の姿が現れる。石垣の街は実に変化に富んでいる。海の方に行けば、漁港があり、離島ターミナルがある大型クルーズ船がビルのようにそびえていることもある。山の方に行けばかなりの登山といえるほどの山もある。ダム湖も3つある。御嶽やお寺も歴史を感じさせる風情がある。田んぼの広がりも、古い姿を残していて見ごたえのあるものだ。畑の方へ行けば牧場の放牧。サトウキビやパイナップルの畑が広がる。商店街を歩けば、まるで銀座のような人の賑わいに紛れることになる。一軒一軒お店を覗くだけでもおもしろい。公園、図書館、市民会館ホール。晴れれば必ず歩くことにしている。4000歩ほど歩く。2キロほど行き戻る。家に戻って1時間ぐらいである。

石垣散歩を日課にしている。最初は朝歩いていたのだが、朝がなかなか明るくならない。明るくなってから出かけると、絵を描く時間を削ることになる。それで夕方歩くことにした。写真はまず、家から出てすぐのところにある石垣氏庭園。ここの石垣はとても整備されたものだ。こういう石垣は至る所にある。石垣を眺めて歩くだけでも飽きない。つい、だから石垣市と言いたくなる。南の方に向うとだんだん町はずれ。昔の農家だった家ではないかと思われる大きな屋敷が続く。奥には赤屋根の低い沖縄家屋がある。どの方向に歩いたとしても、必ず、沖縄建築の赤屋根に出会う。多くの場合シーサーが載っている。シーサーはライオンだと思う。アッシリアのライオン。いつかシーサーを作りたい。沖縄の隆起したサンゴの石で作りたいと思っている。建築現場にはかならず石が転がっている。良い石を見つけて作ろうと思っている。なぜ作りたいかといえば、見ているともっと良いのが作れそうな気になるからだ。張りぼて人形タイプではなく、中身の詰まった造形としてのシーサー像。作って家の屋上に置こうと思っている。石垣小学校の正門のシーサーはなかなか良い。

 

 細い、軽自動車だけが通れる道が多い。ブロック塀もかなり多いから、地震の際の通行路は考えておいた方がいいだろう。結構車は来る。ともかく忙しい生きた街だから仕方のないことだ。緑のネットで囲んで野鳥除けのようだ。たぶん中に果樹があるのだろう。鳥が多いから、囲わなければ食べられてしまうのだろう。中にはこんな感じでランを栽培している家もある。鶏の声は、歩いているとあちこちで聞ける。まだまだ飼っている家があるようだ。

 ここは広い道で上り坂になっている。登りきるあたりはお墓の多い地域になる。お墓と人家が混在している。これも考えようによっては悪いものではない。一つのお墓が大きいから、主張している。お墓にお寺が付随していない。明和の大津波で街が全壊するまでは、低地が人家で、見晴らしの良い高台がお墓だったのではないか。津波以降高台のお墓の方に人が住むようになった気がする。それで人もお墓も同居した。

 御嶽にある、大きな気根の伸びるガジュマル。

 

散歩用に作った、結城紬のずた袋。これに財布とタブレットを入れて出かける。

 

 - 石垣島