穂揃いから水切りまで
穂揃いした朝の田んぼ。緑が広がりこの緑の波に飲み込まれるような恐怖感がある。余りに美しいと恐怖を覚えるという事なのかもしれない。この美しい風景を作り出し、毎日この中を3回は歩いている。朝、昼、番と違う美しさがある。田んぼには3回も行かないでもいいのだが、ついつい行ければゆく。穂揃いが最後になっているのは、3番田んぼの水口付近である。ここはまだ完全に穂が揃っていないが、他の田んぼとのバランスもあるので、23日を穂揃いしたという事にしたい。
3番田んぼである。この写真の上のあたりが、まだ穂が揃っていない部分だ。辺りを埋め尽くすような生命の力が出ている。オーラが出ていると言えるのだろうか。ここは苗床をやっていた田んぼで、苗床だった場所と、通路だった場所ではここまで来ても葉色に違いがある。苗床だったところの方が、止葉の色が濃い。そのことがイネの穂に違いを与えているのかというと、あまりよく分からない。分からないが、緑の色の濃い方が根の活動が盛んなのではないかと想像している。
こちらは一番田んぼだが、水口も穂揃いは終わっている。この写真の手前の所が、まだ穂が出ていない場所だ。田んぼに行くまでの間に、クワイの水路が10mほどある。ここを通過している間にいくらか水温が上がる。一番の水口が遅れる状態も稲の生育が悪いという事ではない。穂の数は最後はほぼ似たような状態になる。穂の大きさも粒張りも違うというほどのことはない。
ここまで間断灌水を続けている。水尻の排水調整版を下げて、水位を下げてある。水を入れる時間も減らして来ている。あちこちから水漏れが起こるから、下の田んぼほど、水のない日が多くなる。10番田んぼは一番乾く田んぼなのだが、水が沸く田んぼでもある。丁度良いような不思議な結果になっている。
ここが種籾をとる、10番田んぼである。止葉の下に穂がかしいできている。水が沸いてくるのは、この写真では右下あたりである。今年は少し土を入れて高くしたので、改善されたようだ。右側が1本植で、左側が2本植である。違いは全くない。これでどちらが倒れるかもこの後よく見ておきたい。10番から11番に水を落としていたのだが、それは水温の低い間だけで、11番田んぼは湧水だけで現在栽培している。
昨年倒れてきたのは、9月8日だったと思う。台風が通り、倒された。この後の田んぼ管理は、充分に最後まで穂を実らせながら、同時に倒さないで行けるかである。今年は稲は120㎝になっている。確かに背が高い。これで倒さない管理ができるかどうか。どうしても田んぼに沸く場所がある。こういう場所がいつまでも地面が固まらない。
側面から見ると、葉の色がわかるので、今朝写真を撮り後で掲載した。穂の色と葉の色の違いを見て欲しい。普通の田んぼは穂の色と葉の色がほぼ同じである。
色は出ていないのでわかりにくいのだが、止葉が多き上に突き出ていることがわかる。この止葉の大きさこそ、良い稲穂を作る大切な要素だ。