9条改定とシビリアンコントロール

   

自民党は次の国会で憲法改定案を示すとしている。アベ政権の支持率の低下で少し雲行きが変わってきたが、油断はできない。9条の改定に関して、自衛隊のシビリアンコントロールを明記すると高村氏が発言している。憲法に文民統制をあえて明記しなければならない理由などない。憲法で明記しなくとも、公務員というものはすべて憲法に従い、国民の権利を侵害しないように行動しなければならない義務を負っている。自衛隊が自らの判断で勝手な行動をしてはならいないのは当然過ぎることである。自衛隊が国民の意思を超えて行動してはならないのは当然のことで、いまさら文民統制の主張は、稲田氏と自衛隊の関係から自衛隊の内部統制の問題が見えてきているのではないだろうか。文民統制とは、政府や国会の指示のもとに自衛隊が行動する。という事が言いたいのだろう。元防衛大臣の稲田氏の行動や発言を見ていて、いかにも危うく、ぐらぐらなものに見えた。政治家が軍人よりまともだとは到底言えないうえに、今後自衛隊が現地情報を出さない可能性の方が怖い。

稲田氏も、安倍氏も靖国神社にどうしても参拝したい人である。その背景にあるものは明治日本を再現したい人たちへの忖度である。こんな人が指揮権を把握していてどこに安心があろうか。ソフト独裁では文民統制など無意味なのだ。憲法改定を主張しながら、一方で自民党は経済に専念すると発言する。経済をよくできれば、後のことは国民は気にしないと読んでいる。ソフト独裁の基盤は経済政策と領土の返還にあるからだ。それこそヒットラーから学んだことだろう。ドイツ経済を窮地から救い、領土の奪還を果たす。日本も経済さえ好転させ、領土が返還されれば、憲法改定など問題ないという読みだ。確かに、民主主義は経済や領土に踊らされる。選挙に一番影響がある。アベ政権が北方領土や、尖閣諸島を問題化する。そして、経済を回復させるという戦略の目標は明治日本の再現である。しかし、さすがにここへきてアベノミクスが眉唾だったことが見えて来たのではなかろうか。それが支持率低下の本当の原因。

稲田氏がかなり能力のない人だったことは、日に日に明らかになった。弁護士だから能力があるとは到底言えない。弁護士の中に能力のある人が多いいという事は言える。稲田氏が能力がないにもかかわらず、安倍氏が育てようとしていた理由がある。安倍氏と同じで、役者として動く女優人間だからだ。セリフだけを語っていて欲しいという、明治日本の再来を意図する保守勢力があるのだ。自分の強い意見を持っていて、言いなりにならない人は困るのだ。安倍晋三という人間はうってつけの人間だった。セリフ回しは上手であった。ところが判断能力が低い。低いという自覚の為か、言われたように動く事は得意である。だから、同じ人間が同時にこのようなことを発言するわけがないというような、矛盾に満ちた発言をしても、平然としていられる。謝罪の演技をしたことなどもう忘れたようだ。

アベ政権のソフト独裁の背後にあるものが、文民統制を入れるという観測記事を出せ、と言う判断なのだろう。今も、背後にある鵺存在は得体が知れないのだが、世論分析部のようなものではないか。コンピューターも駆使しているのだろう。高村氏にこういう意味のないようなことを言わせて、ニュースがどのように取り上げるか、その結果国民の反応はどうだったか。稲田氏の防衛省での無能ぶりが表面化する前に、ぶつけようとしたのだろう。稲田氏は迅速に調査をさせ、報告すると主張していた。それは自分には及ばないという事だった。ところが防衛相内部調査は一向に埒が明かない。ごまかし調査で終わりになろうとしている。防衛省の前川氏が存在はないのだろうか。もう取引は終わったのだろうか。わずか、本当のところが流れ出ておわりか。北朝鮮の暴発の可能性はかなり高くなってきている。自衛隊が突然、というようなことが無いように願いたい。

 

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