もみ殻燻炭の作り方
もみ殻燻炭は毎年作る。今年は欠ノ上の分だけを作った。おおよそ3反分のもみ殻で、40リットル袋21袋できた。一番の利用法は来年の苗作りだ。3袋はその為に残して置く。そのほか、大豆、小麦、玉ねぎと、各会の畑にも使うつもりだ。写真のような山で2回である。山の高さは120センチくらいだ。朝6時に着火して、夜の6時に出来上がる。焼きあがったら広げて水をかける。翌朝には完全に火が消えているので、袋詰めできる。今回は正確に3反弱の籾で作った。いくらか籾で持って行った人がいたので、1500キロぐらいのお米である。昔は田んぼのあちこちで燻炭を作っていたものだが、今の時代この煙が苦情になる。人家の近くではできない。本来焚火煙というものは、良いものである。煙に含まれたものが田畑をよくするのだ。畑で出たものを畑で、田んぼで出たものを田んぼで燃やす。行うべき良いことであり、苦情を言われるようなことではない。
2回めは朝6時に火をつけて、10時過ぎから雨になった。昼過ぎあたりから強い雨が翌朝まで降り続いた。雨の中でもできるはずだと考えていたので良い機会だった。時間的には、消火が夜の9時ころになった。つまり、雨のためにいつもより3時間長くなった。長くはなったが、問題なくできた。消火は全体が黒くなった時だ。燃えすぎれば白く灰になってしまうが、灰も畑には悪いものではないので、あまり気にする必要はない。途中で二度ほどもみ殻の調整をする。風当たりの強い側が燃えが早い。あるいは山の頂上の方が先に燃える。燃えが早い部分に、燃えの遅いもみ殻部分を移動する。あるいは、早く燃えたところに新たな籾を足してやる。全体がバランスよく燃え切るように調整してやる。最後に火を消す時には、まず燃え残っているところを広げながらかき回してやる。一気に残っているもみ殻が炭化する。10センチ以下の厚さに広げて水をかける。広げる面積は20平米くらいになる。
完全に火が消えていると思っても再燃する場合がある。翌朝、袋詰めにして積み上げるようなことはしてはならない。湿ったところとまだ暖かいところをよく噛みまわして、沈下を確認しながら、袋に詰める。数日そのまま外に置いて様子を見る。袋は少し話して置いておく。もし再燃しても一袋の被害で済むからである。完全に火の気が無くなってから倉庫にしまう。倉庫から再燃して火事になった例がある。以前は大きな保米缶で作っていたが、外の山積みの方がやりやすいし、効率も良いので、今は山積み専門である。保米缶で作る場合は消火に水を使わない。水で火を消した場合と、酸素を絶って火を消した場合とでは、燻炭の質に違いが生じるのだろうか。使っていて大きな違いは感じないが、本当のところは分からない。
燻炭の使い方をついでに書いておけば、苗作りの用土に混ぜることが一番である。2から3割程度、発酵させた山土に混ぜる。混ぜるのは種を蒔くときに行っている。苗土の重量が減るし、良い苗ができる。水やりの失敗が減る。用土の腐敗が起きない。また田んぼや畑に直接言入れることもする。3反の田んぼの苗床で120リットルくらい蒔くことにしている。種を蒔いた後かけてやるのも良い。タマネギも同じようにしている。タマネギベットにはかなりの燻炭を混ぜてやる。苗を植えた後に、燻炭で表面を埋めるようにしておくと草抑えにもなる。冬の間の保温にもなる。土壌の微生物環境を良くする。土壌に空間ができ、保水力が高まる。土壌の酸性化も少しは止めてくれる。だんだんホウレンソウができるようになる。