外交官の沖縄基地分析
日本戦略フォーラムの藤崎一郎という元外交官が辺野古移設以外にないという理由を以下のように書いている。論理が通っているつもりで解説をしてくれている。政府が辺野古を唯一として説明をしないのだから、これは参考になる。日本の外交の論理レベルがわかるので、長いがあげてみる。
一は、普天間をこのまま放置することである。 ヘリ基地が人家に囲まれており、2003年に視察したラムズフェルド元国防長官が世界で最も危険な基地と呼んだ。その1年後、幸い人身事故に至らなかったが沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した。もし大きな事故が起きたら安保体制そのものを揺るがせることになる。危険性除去が急務とされるゆえんであり、このオプションはない。
二は、嘉手納統合である。得失を見てみよう。嘉手納を管理する空軍が受け入れないとの議論もあったが、より本質的には一基地に集中させてしまうため、抗堪性が減少するし、嘉手納基地周辺住民の納得を得るのが困難と考えられたのだと考える。
三は、県外移転である。 鳩山由紀夫内閣が、いろいろ試したが受け入れる県はなかったのは記憶に新しい。国内をまとめられないのに尻を米国に持ち込む形になり反発を買った。
四は、代替基地を設けず単に普天間廃止をする案である。中国が領海、接続水域に入り、北朝鮮がミサイルで挑発を続けている中で誤ったメッセージを送ってしまうことになる惧れが大である。
五は辺野古移設である。そうであれば美しい辺野古を埋め立てるのは忍びないが、ギリギリ五の移設案しかないことになる。
もっともらしく述べているが、実に根拠に乏しく。外交の専門家の判断とは到底思えない。人間が欠落しているところが特徴である。このような論理レベルの人たちが日本の外交を担ってきたのだ。まず、普天間基地の役割の分析が弱い。基地には沖縄になければならない要素と、沖縄以外でも構わない機能がある。兵士の訓練など、アメリカでやってもらえばいい。普天間基地が辺野古ではなく、中国や北朝鮮に近い、無人の離島に存在した方が、中国、北朝鮮へのメッセージ性がさらに強くなるだろう。奄美列島の無人島でもよい。また、県外移設を受け入れるところがないにもかかわらず、日本の防衛に米軍が必要とされるのであれば、むしろ他の県の説得を出来ない政府の無能を問題にすべきだ。沖縄の米軍集中を進めてきたのは安易な政治による差別である。差別を政府が是正せず温存するこは、人権的に許されることではない。南の無人島で嫌だというのはアメリカ軍なのだろう。この重要な点に触れていないのは、気が付かないのか、意図的に隠しているのか。
それでもどうしても、アメリカに沖縄の辺野古に居て欲しいと、日本政府が考えているなら、正直にそう述べる必要がある。そしてそれだけの負担を強いるのであるから、それにふさわしい代替措置を明確にして、沖縄県や、地元住民と交渉すればいいのだ。例えば沖縄は無税にするのでお許し願いたいというのもある。他の県がどうしても受け入れないというものを、理由を明確にしないで沖縄に辺野古移設以外にないと押し付けるのでは、アベ政権と沖縄以外の日本人の不誠実である。沖縄差別意識を持っている日本とみられても仕方がない。辺野古を唯一とするずる賢いアベ政権という事なのだろう。いずれにしても沖縄だけに負担を押し付けている、背景の論理はこの程度のものという事だ。アベ政権は沖縄県に対して又訴訟を起こした。アメリカの圧力に屈している。アメリカは日本の再軍備を期待しているのだ。アベ政権も、憲法を改定して再軍備がしたいのだ。
八重山にも自衛隊の配備を進めている。自衛隊基地という形で、米軍に基地を供与することになる。これはまさにトランプの言う、自己負担の新しい形である。日米安保条約がある以上。米軍が自衛隊基地を共同使用するのは、当然のこととなる。アベ政権は軍国主義なのだ。軍事力に頼る力の外交以外ないと考えている。平和的手段による外交など、無駄だと考えやろうともしない。それは、元外交官の分析にも良く表れている。平和外交による、基地縮小など念頭にもない。憲法を無視した政権なのだ。自民党憲法をつくり、大企業の国際競争力を手助けしたいというのが本音である。現行の憲法をやりにくい迷惑なものだとしか考えていないのだ。