参議院選挙結果

   

こういう時代がついに来た。深刻な結果だ。比例代表では自民党は36,1%を獲得した。前回が34,7%だったから1,4%自民党の支持者が増えた。アベ政権が支持されていることは確かなようだ。3分の1の支持しかない政党が過半数の議員を確保する仕組みでは政治への関心は衰退する。憲法改正の発議のできる議員数を与党で確保をした。いよいよ憲法改定が目前のものになった。自民党憲法を支持している人は、36,1%を基本と考えれば、改正が行われる可能性はまだ低いともいえる。憲法と政府の関係を明確にすることが、憲法改正の論議に入る大前提であろう。極端に言えば、憲法など拡大解釈すればどうとでもなるという認識であれば、憲法を変える意味がない。また、憲法というものが政権の政治運営の枠を制限しているという認識がなければ、立憲政治の意味もない。国民は憲法への関心は相当に低いようだから、きちっとした憲法論議が交わされる、枠組みの決め方ことが重要になる。

今回一番注目していたのは石垣島の投票結果であった。自衛隊配備問題が反映した投票になる可能性があったからである。沖縄北方大臣という箔をつけて選挙に挑んだ、島尻氏であったが、6年前当選したときは辺野古新基地反対を表明していたにもかかわらず、今回は普天間の基地の危険除去の為には、辺野古新基地建設が必要と変わった。その結果大きく票を減らして落選した。石垣選挙区ではその島尻氏と当選した伊波氏はほぼ同数の票数であった。八重山振興政策という現実と自衛隊配備問題が複雑に絡み合い、ほぼ同数の票になったのだろう。自衛隊配備に今回の選挙で明確な意思が出たという訳ではない。八重山の将来を考えた時に、どういう地域を目指してゆくことが良いのかを住民自身が練り上げてゆくことが大切なのだろう。国の専権事項だから、住民は黙っていろでは国の防衛は出来ない。

アベ政権が3分の2を取って憲法改定に進むという、恐ろしい結果になった。今回の参議院選挙の特徴は、徹底して政策が語られなかった。述べているのはテーマである。女性が活躍する社会というテーマは述べられる。しかし具体的にどのような政策を実行し、実現するかは表明しない。農業を大切にするという事はテーマとして掲げられる。国際競争力を高め、2000億円の農産品の輸出をする。どれもこれもテーマである。具体的な政策は語らない。それは具体的な政策には賛成と反対があるからだろう。女性活躍とだけ叫んでいる間はだれにも異論はない。これがアベ政治の手法だ。女性が活躍した方が良いに決まっている。農業は盛んな方が良い。しかしその手法の政策には税の支出がかかわるから、語ろうとしない。子供手当をどうするかとか、待機児童をどうやって減らすか。これは政策の問題である。具体的な政策を公約すれば責任が生じる。例えば給付型奨学金は具体的に述べた政策である。

憲法改定に関してもテーマは掲げたが、具体的なものは何も語らなかった。しかし、安倍晋三氏がトラウマのようにこだわり続ける自民党憲法の制定は選挙のテーマにしないという卑怯なやり方だ。ともかく政策論議をしない選挙。これに徹している。その方が支持されるという読みだから、有権者も舐められたものだ。選挙の意味がなんとなくわかったような分からない。投票率は過去4番目に悪いとある。50%以下の投票率の場合は選挙を無効にし、その地域は議員の選出が出来ないというくらいのペナルティーが必要だ。当選した議員は政策の研究をしてもらいたい。政務調査費泥棒にならないように。注目された沖縄の今井絵理子氏は沖縄のことを全く勉強していない。当選の弁がこれから基地問題を勉強するなどというのだから、沖縄で起きている米軍軍属の殺人犯罪を、沖縄の若い女性としてどう感じているのだろうか。これが18歳選挙の象徴なのだろうか。

 - Peace Cafe