産廃業者の闇
大手のカレーチェーン店の廃棄カツがスーパーに並んだ。冷凍ビーフカツである。食べた人によるとあまりおいしくなかったそうだ。中国の食品偽装で一時大騒ぎをしたが、日本の国内にも似たような状況があるという事だ。当たり前のことだ。儲けたい一心の人間は世界中どこにでもいる。拝金主義者社会が広がった以上、食品の安全を企業の倫理に期待することなど出来るわけもない。安いものを求める消費者が悪いと思わず口にした、牛肉ミンチ偽装の社長の弁明を思い出す。ではそれを取り締まるシステムがあるかと言えば、警察がいても犯罪が起こるのと一緒で、盗人の種は尽きない。食べる人間の方で、危ない食品を避ける知恵がなければならないという事になる。ミンチはまずいというのはかなり一般的になったが、揚げ物も注意が必要という事だろう。出来合いの食品を購入するのは便利ではある。私もやらないわけではない。しかし、買うときに注意をし、覚悟をしておく必要はある。
今回の事件は産廃業者の闇である。大手の食品会社が様々な理由で、食品の廃棄を産廃業者に依頼している。異物の混入もあれば、賞味期限切れもあるだろう。こういうことが起こるから、畜産業者の収集が出来なくなった。食品の流通や製造においては、10%くらいの食品廃棄物が出るのは想定内のことだ。この食品廃棄物の産廃の量が、畜産飼料の輸入量と同じと言われている。ところが、畜産分野に直接は回らないような仕組みになっている。神奈川県でもいくつかの産廃畜産飼料会社が出来た。見学にも何社か行った。その後ネットで調べたりしているが、上手く回っているところはないようだ。所がうまく人間の飼料としてうまく回していたところが現れたわけだ。氷山の一角と考えた方が良い。食品残渣の出る工場の流れで、豚が飼われているのならいいが、岩手の養豚場に関東の食品工場から運ぶのでは、コスト的に無理がある。
中にはすぐ食べれるものがいくらでも産廃になる。有る畜産業者が、これを食べたら終わりだと思って我慢した。と話していたことを思い出す。つまり食べれそうでも、何かの理由で廃棄される食品が山のようにあるのだ。これを扱う産廃業者が横流しを考えるのは、至極当然ではないか。賞味期限が切れていても、食べれないわけではない。販売してはいけないだけのことだ。異物混入と言っても、時と場合だろう。例えばお弁当の食材に回してしまえないか等と考えないとは言えない。明日期限切れだから、今日の弁当の材料にしようというのは普通だろう。そのうち、魔がさして、昨日の期限切れだけどいいだろうと考えないとは言えない。この発想で産廃業者が、転売をする。つまりロンダリングだ。洗浄業者が介在する。食品ブローカーである。産廃業者から何とかなる食品を集める業者である。産廃業者ダイコーからブローカーみのりフーズへ。みのりフーズから、弁当屋に並ぶまでまで、他のブローカーが介在したようだ。
揚げ物とミンチの外食は要注意である。弁当の定番であるが、どうしても弁当を食べなければならないときは、おにぎりなどはいい。選択眼である。中国に一緒に行った食品関係の人が、ホテルの食事でも肉は食べないと言われていたが、そういうことだと思う。状況を知っていると怖くなる。どのみち消費者という化け物はすぐ忘れて、何でも飲み込んでしまう。だから、こういう事件は必ずまた繰り返される。倫理の失われた社会の拝金主義。大企業でも社長が拝金主義に走ってしまえば、同じことである。自給で暮らしていたら、賞味期限どころではない。自分で腐っているかどうか確認して食べるほかない。冷蔵庫のない時代では当たり前のことだった。一家の責任者のお母さんが悪くなっていないかどうかの判断を下していた。少し悪くなっているから、自分で食べてしまうという事さえあった。食品の安全は自己責任である。