果樹の作り方
自給生活には何本かの果樹があるといい。中でも梅と柿と枇杷はなくてはならないとおもっている。果樹は仕立てるまで時間がかかるものだし、移動も簡単ではないので、長期的な農園の構想のものとに、植えなければならない。それがまた、農園全体の将来構想にもなる。品種の選択も十分検討をして自分に必要な果樹を選ばなければならない。苗の種類探しも簡単にはあきらめないで、いろいろのつてをたどり、気に入った苗を手に入れる必要がある。一度植え付けてしまえば、生涯行動を共にするようなものだから、まあ、仮植という事で、やってしまうと後で悲しいことになる。次に必要な果樹は柑橘類を一種。クリ、ブルーベリー、プラムとか杏も作りやすいのであるといい。ブドウや桃やリンゴ、サクランボ、イチジクとなると栽培に気お使わなければならないので考え物である。
まず、柿が一番だと思う。日本の気候に合っているので、栽培は放任で問題がない。柿が赤くなると医者が青くなると言われる。柿は人間の体にも良い果樹である。もちろん赤くなって生食するというのが一番普通であろうが、干し柿にするという食べ方もある。干し柿は甘味料として使われたくらいの甘さがある。干し柿を毎日一つ食べるという健康法もある位だ。熟柿もなかなかの食べ方だ。これを冷凍保存して、シャーベットのように食べるのもいい。柿酢を作る事もできる。さらに青柿で作る柿渋は、柱や床に塗れば、建物の保護材になる。柿渋で布を染めればこれまた、素晴らしい染色ができる。となると、むしろ甘柿より、渋柿の方が良いという事になる。渋柿は寒さにも強いし、さらに丈夫だ。ハクビシンにも食べられない。有用かつ美しい樹木である。簡単に渋抜きは出来る。渋抜きした柿の方が好きだという人もいる。私は富士という品種の渋柿を植えている。
次に、必要だと思うのが枇杷である。枇杷は冬実る果樹である。独特の個性があり、薬効が高い。葉をお茶にするのは柿と同様である。枇杷葉は古い葉を使う。これを煎じて飲むと、なかなかいいものである。健康茶筆頭ではないだろうか。寒いところではできないのだろうが、山北の360メートルでもよく出来たので、耐寒性はそこそこある。何の世話もいらないが、とどんどん背丈が伸びるので、高さ制限は必要だろう。枇杷は6本も植えてあるのだが、枇杷葉シップで、肋間神経痛の時にお世話になったので、枇杷には感謝の気持ちがあり、身近においておくと安心感がある。枇杷の実は、ジャム、シロップ漬け、焼酎付け、といろいろに使える。もちろん生食が一番おいしい。先日頂いた、枇杷の種の杏仁豆腐は絶品であった。
そして、梅である。梅酒が好きだという事がある。梅酒は砂糖を入れるから体に良くないという人がいるが、私には必需品の健康酒である。梅酒を壺屋焼きの甕に付け込んで、古酒にする。時間をかけて熟成させることで、さらに体に良いお酒になる。もちろん熟成されて味も最高のものになる。古くなった梅酒は味が落ちるという人もいるが、良い保存をして熟成させれば、20年物こそ最高の味である。梅は南高梅が良いと考えている。果実が大きいし、作りやすい。梅酒に一年漬け込んだ梅を、そのあと梅ジャムにする。2段活用だが、気に入っているジャムだ。
いろいろ果樹はあるのだが、ともかくこの3種があればと思っている。栽培法は堆肥で根回りを常に覆っておくという事だけはする。カミキリムシに入られることがあるので、防虫のテープはいいかと思うがまだやったことはないが、何とかなっている。果樹にいくら堆肥を与えたとしても、枯れるような心配はない。葉色に十分の緑がなければ、弱ってきている証拠である。熱心に堆肥を入れてやれば、果樹は活力を維持する。果樹というものは、無理をして実をならせている。野生に近い品種であれば、ほどほどの堆肥で健康を保てるが、今の栽培品種は実を多くならせ、また糖分を高めているから、病気になりやす物なのだと思う。