醤油絞り
2016/04/05
醤油を絞った、2013年の2月に仕込んだ醤油の残り半分である。2年9ヵ月物となる。2升三合になった。これを来年の前半で使い、又次の物を絞ることになるのだろう。使っているのは大体3年仕込みの醤油の繰り返しという事になる。発酵が進んでいて、とても気に入っている。これさえあればという感じである。不思議な味の充実が湧いてくる。これが自給の醍醐味という事だと思う。
絞り方は簡単なもので、鍋の上にステンレスのざるを置いて、そこに仕込んだ醤油の塊を入れる。一昼夜置いておき、その絞ったものが、醤油である。だから、この絞り方は、滴り落ちるだけの絞り方で、圧力をかけて絞り切る方法と比べて、とても贅沢な絞り方なのだと思う。完全に絞ればもう1升は取れるはずである。それはとても道具立てが大変だと思う。昔は醤油屋さんが来てくれるところだ。今は醤油絞りをされる方があしがら地方には一軒もないので、自分で絞るしかないのだ。そのために一度は醤油づくりをあきらめていた。いろいろ試行錯誤した末に、今の方法にたどり着いた。味も気に入っているのでこの絞り方で満足している。
このやり方では、搾りかすに価値がある。この搾りかすを有効に使えれば、絞り切らない醤油麹の良さが出てくると考えている。塩麹があるのだから、醤油麹は価値があると思う。今やっているのが、搾りかすに米麹を混ぜて寝かせて、金山寺味噌の素を作ることである。すでに2013年の前半のものは麹と混ぜて寝かせてある。以前は、搾りかすに直接野菜を漬け込んで、醤油漬け野菜のような、醤油麹漬けというものを作っていた。しかしこの方法だと、漬け込む時間の割に、しょっぱくなることとがあった。甘みもぬか漬けより出にくい感じもした。そこで金山寺味噌の作り方を参考に、醤油麹を一段甘いものにするために、同量の米麹と漬け込んだのだ。半年は待ちたいので、試作品しかやってみていないが、相当に期待できると考えている。内心農の会名物にできるぐらいのものにならないかと、期待しているのだが。
自給農業では野菜は作りやす物、作りやすい時期に固まりがちである。これを上手く延ばして使えれば、楽だし変化が出る。夏野菜を塩漬けにしておいて、必要な時に、醤油麹漬けにすると、一年中野菜が楽しめるのではないかという考えだ。以前から、醤油麹の一夜漬けは良くやっているのだが、これをもう少し進めて、米麹を加えたらどうなるかである。コメ、麦、大豆を発酵熟成させたものだから、面白いものができるはずだと思っている。今年の味噌づくりの時の一品持ち寄りはこれに決めている。