久野土砂災害地区指定
28日の夜、久野の上流地域の土砂災害地域の指定の説明会が行われた。昨年の自治会長であり、現在の舟原地区の防災リーダーであるので出席した。欠ノ上の公民館に20名位の住民が集まった。舟原地域では対象の家屋は9軒ほどらしい。私の家は、その境にある。がけ崩れの恐れのある地域のすぐ下にある。すでに、久野川の土砂災害の危険地区内にあるのだから、下からも上からもいろいろ危ない場所に住んでいるということである。私が知りたいのは土砂災害の危険度の科学的根拠である。その質問もしたのだが、そうした調査は行っていないということとで、地域指定の根拠がわかりにくい。角度が30度以上で、5メートルの段差があるところが対象であり、担当者が目視で決めたということである。それ以上の説明は特になかった。放映されたビデオも、土石流のもので今回の急傾斜地のがけ崩れとは違う話だった。間が持たないからビデオを流したという程度のことなのだろう。行政の姿勢に真摯なものがない。
今回はイエローゾーンの指定で、数年後にさらにレッドゾーンの調査が行われるということになる。行政は災害が起きた時に攻撃されたくないから、ともかく地域指定だけは行おうという相変らずの形式的態度だ。本気で住民の命を守ろうと考えてのことなら、今後の防災計画も同時に出てくるはずだ。防災対策課の人に、久野が一律に避難勧告が出ているが、久野と言っても、下流域の洪水の警戒と上流域の土石流災害のとは気象条件で同じには扱えない。「ここ数年毎年出ている警戒情報は、下流域の水位が洪水警戒水位になるから出ている。これは上流域の土石流とは問題が別だ。そのために、舟原地区では避難指示が出ても逃げようなどという人はいない。自治会で話し合ったときに皆さんそう言われている。これではオオカミ少年で、いざという土石流の避難指示が有効に働かない。この点どう考えるか。」という質問をした。何と災害対策課の職員が回答は、データーがないのだから仕方がないということだった。データーがないなら、データーを整える努力をしているのかと再質問したら、それは市の責任ではなく、県の責任だから何もしていないと答えていた。直接県や国に行ってくださいとのこと。これが防災担当の発言だから驚く。
土砂災害地区の指定をする。また、むやみに避難勧告を出す。すべて行政の災害が起きた時の言い訳のためだとしか思えない。本気で住民の命を守る気があるなら、どうやってデーターを集めてゆくかの計画を立て、努力ぐらいしなくてはだめだ。下流域の避難勧告は、久野川の水位の上昇と連動しているに過ぎない。上流域の避難については考えてもないが、ついでに久野全体で出しているという逃げ口上である。ところが、防災訓練やら、広域避難場所の設置訓練など、有名無実の訓練だけは熱心に形式が整えられる。そういう形式を整えるために、防災リーダーも自治会の役員も駆り出される。実にばかばかしいことだ。
自分でデーターを集めることはある程度できる。どのような雨量の時に、どのような災害が起こるのかということは少しづつ分かってきた。土壌に含まれる水分ということが問題になるようだ。ところが県の出しているウエッブデーターは容量が小さい。いざというときにはアクセスが集中する。そのためにデーターに近づけない。せめてこの程度のことは直すべきではないだろうか。県に要求しても予算がないですませられている。こんなことは、大した費用だと思わない。本気で住民の命を守るためには、久野川上流域のデーターを集める綜合的なシステムを作る必要がある。そして、上流の山の森が豊かなものになるような自然再生の方向を示すべきだ。現状ではどういう状態になったら、避難をするか。個人的にこの研究をすることしかない。今のところ行政ははっきりと自分たちにはできないという回答なのだから、自分でやるしかないと考えている。