うるま沖米軍ヘリコプター事故
沖縄で米軍ヘリコプターが墜落した。よく落ちるものだと怖くなるが、軍の基地があれば、事故が繰り返されるのは当然なのかもしれない。驚いたことは事故機には自衛隊員が2名乗っていたという点だ。すでに軍の現場では集団安全保障の日米共同作戦が始まっているということになる。事故機に搭乗していた陸上自衛隊員2人は、テロやゲリラへの対処などを担う特殊部隊に所属していた。事故機は船を制圧する想定で米特別作戦部隊が海上演習を自衛隊に実演していたということが分かった。船を制圧するということは、中国の船が頻繁に日本に接近してくることに対応してのことだろう。いよいよ尖閣に上陸しようとした場合の、日米共同作戦ということが考えられる。いざというときに自衛隊が準備するということもあるが、むしろ、そういうことが起きてもらいたいと期待している人たちがたくさんいる。政府の中にも、自衛隊の中にもいる。日本人の防衛意識を変えるためには必要だという考えであろう。
そんな背景があるから、尖閣島の国境に位置する3方向の離島の問題を、外交努力や国際司法裁判所に提訴するなど、やるべきことをあえてやらないでいる。70談話が政府の本音であるなら、軍事力に頼らない解決を早急に行うべきだ。戦争の火種がそこにあると考えているなら、一日も早く、外交的な対応するのが賢明な政府の判断力だ。これからの安全保障はテロであり、離島の国境線問題であろう。世界のどこでも全面戦争は起きにくい。まず、テロが起きないように最大限の努力をする。日本の立ち位置を、できる限り中立的なものにして、テロ対象国にならない努力をする。そして、3つの国境の島問題を外交的に解決をする。これが政府の戦争を避けるべき具体的な政策である。ところが、領土問題に対しては、明確な方針が示されていない。そして、ときどき棚からおろして、国民の意識の扇動に利用する方針と考えた方が良い。
国際司法裁判所に提訴する以外にない。そしてどのような不服な判決であれ従うことである。たとえ領土問題で不利益が生じようとも、戦争に至る種を除去できるならありがたいことだ。領土を取られるということになると、大きな損害が生じたように感じて、いきり立つことになる。しかし、実際には日本の国土は、広範囲に放棄が始まっているのが実情である。地方消滅ということが言われる。集落や、地域全体が喪失するということを意味する。人口減少期に入り、一人当たりの国土面積は倍増する。日本人が暮らしてゆく面積は余裕ができるということになる。国境の島に必要以上に拘泥しない方が良い。実際に放棄された離島も数知れず存在する。離島のことよりも放棄され、失われてゆく地域社会をどのように維持するかのほうが、現実の深刻な課題だ。国境紛争というものは、地域社会が失われる深刻な国益とはまた別のものだと思う。
誰しもオスプレーを思い出したと思うが、そうではなかった。私はオスプレーの日本配備は賛成である。オスプレーが操縦が難しいとか、改善の余地のある飛行機であるとか、いろいろ問題はある。もう少しアメリカ本土でやってみる必要はあるのだろうが、日本のような国土の安全を確保するためには、必要なタイプの飛行機だと思う。沖縄の基地問題で、辺野古基地建設が唯一道という根拠はない。アメリカが代替施設として、そう考えているのはわかるが、日本としては無人島に基地を作ってもらう方が良い。基地誘致の島々もあるくらいだ。だから日本政府としての発言が、辺野古が唯一の道というのは、無能な政府にしか見えない。その無能ぶりが、いかにもアメリカの代弁者に見える。本気で辺野古が唯一というのであれば、その理由をわかりやすく説明するのが政府のあるべき姿だ。