土砂災害危険地区の指定説明会
26日の晩、舟原自治会主催で、土砂災害危険個所についての説明会を開催した。神奈川県小田原土木センターの河川砂防第2課から田宮課長、山口さん、平山さん、山内さん、そして小田原市の福田さんと来ていただいた。舟原自治会の参加者は15名か、16名だったようだ。今回は久野川の舟原地点で予測されている、土砂災害危険地区(レッドゾーン)と警戒区域(イエローゾーン)の指定の根拠を説明していただいた。これは2年前、久野全体での説明会があり、ここで一度説明をいただいた事であったが、指定の理由が良く理解できなかったので、舟原に特定して、詳しく説明してもらいたいと言う事だった。分かりにくい話なので、出来れば過去のデーターから、似たような所で起きた、事例を持って説明をお願いしたいと申し入れた。しかし、事例はないらしく、私はないと確信しているので、あえて事例をとお願いした。結局のところ一般論としての説明に終わった。
イエローゾーンと言われる物に、舟原地区の大半が含まれている。その理由は舟原は扇状地である。その扇頂地点を決めて、そこから30度の角度で広がる所は、イエローゾーンであり、それは土地の傾斜度が2°以下になるまで続くという事である。谷の深さは勘案されていない。また上流の地形や、土質も考えていない。土石流や雨量も勘案していない。つまり、扇状地地形に置いては、単純に扇頂から30℃の角度で全域を土砂災害警戒区域にしていたという事である。その理由は国が法律でこの基準を決めたからという事だけの説明であった。果たしてこれで説明になっているのだろうか。確かに、土砂災害が起きたときの、いい訳にはなる。広島のように指定が遅れたことで随分行政の責任が問われた。ともかく怪しい所はすべて、イエローにしておけというような大雑把な地域指定であると、ますます思えてきた。
説明の図では渓流の底から、高さ5メートル地点までの幅となっている。所が渓流から20メートルの高さの所も指定されている。この理由が知りたい所なのだ。どうも、30°の角度で扇状に広がると言う事を優先して範囲を決めたという事で、5メートルの高さは無視されているのではないかと思われる。谷底の深さによって30°が20°になる事もありうるはずだ。上流部の土石流の量は同じなのである。広島のように、ほとんど平らな地形の所に流れ出すとするなら、当然30°で警戒地区を決めなければならないだろう。しかし、舟原のように谷が深くなっている場合土石流は当然谷筋を流れ下ってて行く。山の斜面を土石流が登ってゆくという事は考えにくい。この事は何度も質問したが、回答はなかった。指定した人がその根拠を明確に説明できないという事が極めて不思議だ。回答らしきものがあったとすれば、あえて広い範囲を警戒区域に指定して注意を喚起しているという事だった。
昨夜の説明会の結果、イエローゾーンは逃げる必要はないという、各人の判断に繋がる。そして、何かあれば行政はイエローゾーンに指定していたという説明が出来る。実にすっきりしない結果である。今回分かった事は、レットゾーンは確かに危険がある。その根拠も詳しく調査してあるようだ。しかし、イエローゾーンは根拠のじつに乏しいものだと言う事である。注意を喚起するためにイエローゾーンを作ったというにすぎないようだ。私個人はイエローゾーンというものを無視する事に決めた。自治会としては、レットゾーンに住んでいる人にもう少し注意を喚起したい所である。自治会長としてやろうと考えていた最後の仕事を終わった。個人としては、舟原に越してくるときに自分なりに調査して出した、安全な土地だという判断を優先した。