漁獲制限の国際会議

   

上の畑 中盤全紙 何度でも描く場所だ。自分の絵の本当に探りたい所がこの先にあるような気がしている。

ウナギ、クジラ、クロマグロ。同時期に漁獲量制限の会議が、開かれた。どれも日本人が食べ過ぎ、取り過ぎで、絶滅が危惧されているものだ。福岡で、ニホンウナギの資源管理に関する初の国際的枠組みに日・中・韓・台が参加して合意した。いけす養殖に使う稚魚(シラスウナギ)の量を「直近の数量から20%削減」する事がきまった。ただし、実現の確認など問題が残る。始めてのことだから、この程度なのだろうが、もっと本格的な調整が必要である。クジラでは日本が南極海での捕鯨を調査と称して、商業的に行ってきたことが、国際法廷で禁止された。にもかかわらず、日本政府は調査捕鯨再開を再度主張している。会議としては出来ないことに成った。しかし、日本は捕鯨を強行するかのような一方的な主張をして終わった。何故こうも粘るのだろう。このままいけば、北太平洋での調査捕鯨も禁止が広がる原因に成る。マグロの資源の会議では半減ということで決まったようだが、実際の効果はほとんど期待できない内容である。報道ではまるで減らすかのような言い方だが、これは意図的なのか、無知なのか、昨年の漁獲量とは変わらないものだ。

クロマグロの交渉で日本のやり方が見える。クロマグロは資源として激減している。このままではマグロが居なくなってしまう。そこで、マグロの漁獲制限をせざる得ない。一応の漁獲制限の枠はできた。このことを調べていたら、三重大学の勝川俊雄准教授が太平洋のクロマグロについて、ブログを作り細かく記載している。WCPFCという会議があって、太平洋沿岸の26カ国が加盟している。この会議が最近行われており、マグロの漁獲制限が一応は決まった。クジラに現われている、日本の外交の下手さ加減が、クジラ規制に拍車をかけている。何故、税金を投入しなければならない捕鯨産業の為に、日本人が動物愛護精神のない非道な国のようにいわれなければならないか。このことは過去何回か書いているので今は書かないが、クロマグロのことで、考えてみる。

クロマグロは、大西洋と、太平洋にいて、大西洋にいるものは規制が別にあって、効力を発揮していて、減少に歯止めがかかったようだ。ところが日本が当事者である太平洋のクロマグロの資源保護では、問題は大きく2点ある。一つは、クロマグロの幼魚をメジマグロといって、この段階で90%を食べてしまうことだ。マグロは産卵できる大きさに成るには、3から5年かかる。そして、大きいものでは400キロとかいう大物に成る。こういうマグロは油ものって美味しい。時には1千万もするということに成る。太平洋のクロマグロは、日本列島から沖縄の近海でのみ産卵をするらしい。そして、太平洋全体を回遊している。この間に、90%の幼魚を漁獲してしまうというのだ。これが太平洋クロマグロが激減している、最大の要因である。大きくなるまで待って漁獲しない理由は、競争と目先の利益だけを追ってしまうあさましさがある。3年待てば、100倍もの大きさに成り、味も載って価格も跳ね上がる。そこまで何故か待てないかである。

そして次の問題は、日本近海に産卵に集まるクロマグロを巻き網で一網打尽に採り尽くしてしまうことだ。大型の巻き網漁船が操業するようになって、一気にクロマグロは減ってしまった。一本釣りなどわずかなものだそうだ。産卵に集まる親魚を産卵前に大型巻き網船で取る。これではクロマグロが激減して行くのは当然のことだ。これらの乱獲が無制限にされてきたのだ。今回の漁獲制限は過去の半減と報道されている。ところが、最盛期の半減は、すでにその数字以下の漁獲量しか捕れなくなっている。26カ国で今回の漁獲制限を決めた。漁獲制限は2002年から2004年のクロマグロがまだ沢山とれた時代の漁獲量を基準にして、その半減が提案され、決まった。規制は有名無実ということだろう。クロマグロ、日本ウナギ、一部のクジラ。日本人が食べつくしかねない状況なのだ。こんな日本が世界からどう見えるか不安に成る。日本人が食べるのだから、資源コントロールは率先して取り組むべき課題だ。ごまかしなく本気で資源が保護されるような、堂々とした交渉をしてもらいたいものだ。

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