大豆:津久井在来と小糸在来
島の教会 10号 平戸の山の中の教会である。まるで地域の集会場の様な感じだった。
大豆畑の24日の様子。畑の土はかなり乾いている。
大豆はその土地土地の品種がある。、神奈川県には丹沢の津久井地域に残っていた、津久井在来品種というものがある。食べてみた上での判断だが、特に作ろうという気にはならなかった。味の点で、それまで作ってきた小糸在来という千葉県の在来種の方が味が良かったからである。しかし、同じ神奈川県の品種を作るという意味もあるので、気になっていた。それは10年以上前になるかと思うが、現代農業で美味しい在来品種の大豆という特集があって、畦くろ豆というものや丹波の黒豆のどこかのものが面白そうなので、お願いして分けていただき作ってみたが、ごくありきたりのツルノコ大豆と較べて、出来も悪く、味も良くなかったのだ。大豆が地場の水土の影響を強く受けるものだと痛感した。その土地のものを、その土地で作ることがやはり一番ということを大豆は表していると感じた。しかし、津久井在来という、神奈川でも丹沢山中の品種より、千葉県の小糸川周辺で生まれた品種の方が、小田原の土壌、気候に適合しているということもあるのかもしれない。
今年の大豆の会は又小糸在来を播いた。種が悪かったことと、途中からの雨模様の為、発芽率はとても悪かったが、別に苗を土中緑化法で作ったので、何とかなったようだ。さらに、大瀬さんが家で作っていた苗を提供してくれた。それにしても作物一つ一つで難しいことがある。大豆の栽培では、鳥の害が大きい。今年は、かかしと糸と風車で鳥は近づかなかった。2年続けて成功である。失敗したのは土中緑化法の苗である。水やりである。水をやり過ぎて腐ってしまった。みんなで当番を決めて水やりをやったがこれでは水やりは無理だった。水は植物の顔を見ながらやらなければ無理だ。天候の予測をしながらやらなければ、枯れるものだ。畑に植え付けてしまえば、ある程度対応幅があるが、苗トレーにある間は無理ということが分った。昔、種を配ってそれぞれで苗を作っていたことがあった。私一人で作る分の方が、何十人に分けた分より苗の量が多かった。それで面倒になり、苗は私が全部引き受ける方向になった。それでもみんなでやるということは大切なことだ。技術の必要な要所要所は、慣れた人がやりきることとの組み合わせの問題。
大豆の播種機が途中で雨が強くなり、播種の状態が悪くなった。種の問題もあったのだが、雨のなかった初めのうちの畑の半分は、良く発芽している。畑の後半の雨が強くなってからは発芽が悪かった。今年の場合、途中からの雨で、仕方が無かったのだが、播種機が重くて動かなかったということだった。播種機の作業は2時間ぐらいのものだったから、一人が前で紐で引き、2人引きにすればよかった。みんなでやるには連携が必要になる。みんなでの技術の蓄積ということは、これからの課題になる。一人でやるのは、結構継続力がいる。自分はひとりで出来るとうそぶく人がいる。それではまだ道半ばである。大抵の人は一人ではできないので、みんなでやれば少し楽になるということで、力を出し合うことで乗り切る。しかし、本当の力というのは、一人でやれる人が、みんなの為にやるということのはずだ。これが出来る人に出会うと、人間は捨てたもんじゃないなと思う。
来年の課題としては、1、小糸在来と津久井在来の食べ比べを行い、品種のことを再考してみる。2、土中緑化や苗作りの進め方を見直す。3、播種機の扱いを良くマスターする。4、種大豆の選別を徹底する。5、収穫時期の見極めを的確に行う。大豆は日に日に大きくなってきている。土中緑化法の苗と直播の物が幾らか違うかといっても、27日現在、それほど目立った差はない。これから違ってくるのかどうか。興味深いものがある。梅雨明け後雨が全くない。畑は一気に乾ききった。今朝の様子では、夜の間に湿るということもない。さすがに後から抵触した苗は、少し萎びてきている。水やりをすればいいのだろうが、その気に成れないので、何とかしのいでくれるよう願う。今朝はよその田んぼの草取りを手伝いに行く。