倒れた稲をどうしたらいいか

   


キジュモチが倒れている。ひどいところを縛った。


サトジマン背丈が平均107,4センチあった。


苗床の後で一番倒れている。

今年は稲が倒れた。初めての経験である。ソバでやっている自然農法の石綿さんの所でも倒れている。こういうことは初めてのことだ。理由は複合的なものだと思うが、十分に考え来年に行かさなくてはならない。後10日後に稲刈りを控え、どうすることが良いかである。出穂が1週間早くなったので、やはり稲刈りも1週間早める。5日の予定であったものが、29日でも稲刈りが始ることになった。個人的な予定では、絵の展覧会の真っただ中で少し困るが、そうも言えないので29日はなんとか空ける。有機農業では刈り遅れということはないと考えている。以前、立ったままで水分量で15%くらいまで乾かして稲刈りをしたことがあったが、味はとてもよかった。それはハザ掛けをしないでも、そのまま籾保存できるということを試した時である。その年は、畝取りしたほど良く出来た上に、倒れなかった年だ。今年も倒れさえしなければ、予定通り5日からの稲刈りに出来た。しかしかなり倒れ始めているので、刈れるところから始めることに変更した。

この田んぼが倒れる主要の原因は、稲の背丈が高くなったからである。48株の背丈を計り平均してみた。1074ミリであった。単純に考えれば、窒素分が多すぎたということになる。果たしてそうだろうかという疑問がある。窒素が多くなるほど肥料を入れてないと思われる田んぼの方が背が高い状態である。水温が高かったということが、一番の原因と考える。今まで、水温が冷た過ぎて、窒素を吸収できなかった。ところが、今年は春から水温が高く、入水温が20度を始めから越えていた。その後水温は驚くほど例年より高かった。疑問もあるが、来年、窒素を減らすような方向にすること。さらにカリ肥料を入れたいと思う。カリが入れば硬くなり倒れにくくなる。背丈が高いから倒れているともいえないのは、計ってみてわかった。背丈が高いうえに、地面が緩んでいるので倒れる。湧水というか、水路からの伏流水が出てくる場所がある。

そもそも水路が常に水が流れている。川からの取り入れを止めても、水路自体に水が湧いてくるところがたくさんある。まず水路からの伏流水のようなものもある。水路の修復も重要な要素。水廻しや、水管理の方法もかかわってくるこのことからすると、田んぼを乾かし気味に管理した方がいいのだろう。少なくとも後半の水管理はかなり節水気味にするしかない。湧水が耕盤の形成に影響しているようだ。他にも理由はあるのだが、湧水があるということは、一部に常に田ずらそのもに湧いてくるということになる。その為に、耕盤がない場所がある。浅い耕運にしたほうがいい。田植えが出来るのであれば、浅いほどいいのだろう。藁を戻すことが土を柔らかくした傾向もあるので、冬の藁の堆肥化をもう少し丁寧に行う必要があるだろう。まず堆肥を作る場所は、水が湧きにくい位置にすること。

緊急処置として、稲穂が地面につきそうな稲を縛った。3,4株づつで縛っていった。根元が折れている訳ではない。地際からそのままかしいで弓なりになって穂が地面に接している。株自体はまだしっかりしている。上手く管理すればまだ収量は伸ばせそうだ。しかし、株を立ててゆく作業は手間が大変だった。もう一つの不安は品種が変化したことだ。自家採種してきて、背丈が徐々に伸びた不安がある。その意味では、今年は種もみを変えた方がいいのかもしれない。堆肥をしっかりと熟成することも課題である。冬の間に堆肥の切り返しを確実に行う必要があるだろう。水路の修復もどうしても必要である。土の移動を行うと倒れるという気もする。浅い代かきで、平らな田んぼを維持することも心掛けたい。

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