国債が1000兆円を超える

   

財務省の試算では10年後には国債が膨れ上がって、1000兆円を超えるということである。これでは国債依存を脱却し、借金まみれの財政から脱却するという、国際公約を破ることになる。日本がギリシャになる日も近付いていると、財務省がいうのである。これで良いわけがない。国債残高は13年度末では732兆円だが、22年度末の時点で1014兆円に膨らむ見込み。12年末時点で997兆円に及んだ「国の借金」のうち政府短期証券などを除く国債残高だけを推計した。これがアベノミクスの実態である。小さな政府を目指さなければならない中で、この国債依存は絶望的な気分になる。今起きている円安、株価の上昇は、実態の変化ではない。投機的な眼先の予測で動いているものだ。結局は実態にふさわしい、ところに落ち着いてゆく。日本だけ有利という世界の経済状況は終わっている。当たり前の中でやってゆくしかない。

政府の主張する「大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間の投資を引き出す成長戦略」3本の矢の最後の成長戦略の矢が最初に無ければならない。民間の投資を引き出すには、国を挙げての展望である。方針方向が定まらないのに二の矢、三の矢が狙えるわけがない。つまりこの産業競争力社会というのは、実は大企業がどうすれば、競争に勝てるかという会議なのである。円高、株高をまるで、良い結果が出たかのような風潮が蔓延している。それは大企業には良いことだろうが、庶民にはマイナス以外の何も出もない。物が値上がりしてきてからそう言う事に気付くことになるのだろう。政府がインフレ歓迎と主張するのだから、輸入関連商品は次々に値上がりすることだろう。2%と言ってもガソリン等のエネルギー関連商品は忽ちに10%位は値上がりする。食料品も多くが輸入品なのだから、じわじわ上がるだろう。これを喜んでいるのだから、本当におめでたい国だ。

政府の税制改革を見ても、どこからどこまで大企業本位の改正が進められている。法人税の値下げなど70%の零細企業には関係のない話だ。安倍総理が得意げに語った、孫への学費の生前贈与の無税化と言っても、金持ちの問題だろう。孫となれば一人ではない。こんな贈与が出来るのは鳩山家である。日本の国には3つの問題がある。まず、女性の社会進出である。これをやらなければ日本は衰退する。一般に女性の方が当たり前に優秀だ。その条件を阻害している一つが、待機児童問題。保育施設が不足しているなど、政府は何をしてきたのかと言いたい。そして、医療の問題。緊急医療や、産婦人科の不足問題は、全く先進国とは思えない事態である。埼玉の人が30数か所の病院に断られて、やっと茨城の病院で引き受けてくれたが、手遅れで死んだというような話は、ひどすぎないか。そして、格差の問題。能力主義の問題。先端企業が望むような人材は、ほんの一握りである。企業では、ますます、普通の人が要らなくなる。

私は消費税は賛成である。消費を極力しなければいいからである。自給で暮らすものが有利だからである。地域貨幣の存在価値は高まるはずである。消費するものが、税金を負担する考え方もあっていい。やるべきことの量から見れば、税金は足りない。しかし、自民党が公共事業の再開で、箱モノ支出を復活させている。農業分野の土地改良事業など、使わない農地に対して、公共事業費をつぎ込む事業だ。企業の国際競争力を高めるために、法人税を下げるなど、とんでもないことである。日本という国が倒産するかどうかという瀬戸際に、足を引っ張るような企業は、日本の為にならない企業である。何のための企業なのか。この理念を明確にさせるべきだ。ただ資本の論理で、利益だけを貪る、ホリエモンのような発想は、許さない社会的を作る出すことだ。ホリエモンが自民党から選挙に出たことを忘れない。利潤とは何か。こういうことを社会的な倫理の中で位置付ける必要がある。

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