参議院の違憲状態
参議院選挙が5倍程度の票の格差が生じたままである。これを最高裁が違憲状態とした。この憲法違反の是正がなぜか出来ない。これが現状の日本の政治である。本来であれば、2倍の格差が生じた時には自動的に是正されなければならない。県と言う行政区単位の選挙が行われている事を、尊重し一定レベル止むえないとされてきたのが、従来の最高裁の判断であった。しかし、投票する側の権利を侵害しているという意味では、明らかな憲法違反である。従来5倍程度を違憲としてこなかった最高裁判断がおかしかったのだ。司法の行政府に対する遠慮と言うか、配慮があること自体司法の独立性からしておかしい。衆議院では0.50参議院では0.20と言うのが私の、1票の比率である。これは「一人一票実現国民会議」のホームページで簡単に確認できる。憲法違反状態を放置している責任は、国会である。選挙の有利不利にこだわって選挙権と言う憲法に保証された権利をないがしろにしている。
選挙権の不平等は民主主義の問題である。政治が民主主義を尊重していない証拠である。本来一人1票である。これが一人5票もある人がいると言う事自体、まともな選挙結果とは言えない。議員の価値も下げている。こうしたことが許されている背景には、政治への不信がある。政治が変わっても何かをやってくれるとは思えない。どんな人でも大差がない。そもそも選挙など興味も無い。議員数の削減、あるいはもっと極端に参議院の廃止。こういう事を主張する向きもある。民主主義を滅ぼす考え方である。議員数を増やして解消すべきである。何故増やさないか。増えると自分の議員としての価値が下がる、と議員は考えるからである。歳費が減るのも心配なのだ。多くの議員と呼ばれる人の目的は、議員に成るということである。議員に成って何かを実現しようなどと言う人は数少ない。
現在の国会は正常な運営がされていない。大震災の復興を見ればわかる。政治が解決すべき事が進められていない。原発政策を見れば分かる。世論に押されて、原発0を政府が宣言しながら、六ヶ所村の再処理原発の廃止が出来ない。この事態に国会は何も反応できない。こうした事態を招いているのは、政治家のご都合主義による。その場の流れに乗るだけで、政治思想が無い人が多数派である。すべては民主主義が軽視されているからだ。それが参議院を違憲状態と最高裁から指摘される状態にまで、進めてしまっている。簡単なことである。法律で自動的に定数が変化するようにすればいいだけである。人為的にどうこうしようと言う事が、その時の政権の都合に影響される結果に成っている。
選挙制度の問題がある。アメリカでは現在大統領選挙が投票されている。中国では良く分からない権力闘争の結果新しい国家体制が、今週には決まる。どちらが望ましいかと言えば、アメリカ方式である。アメリカの大統領選挙は、国民に対する、政治への関心を高めるキャンペーに成っている。中国の場合は、いかに個々の人間が政治への関心を持たないかが、主題に成っている。日本も政治への関心が下がっている。少数意見が、政治に届かない仕組みだからである。小選挙区制が良くない。2大政党を作ると言いながら、保守的第3極の結成などいわれている。2大政党有利な選挙制度にもかかわらず、その有利さを結果に結び付けられないレベルに、政治が信頼されていない。現職の衆議院議員が、地域の代表としての政策を作り上げる仕組みを持っていない。当選してからの方が、地域代表としての姿は消えていった。現職議員の政治活動に、小選挙区制が生かされていない。