苗土について
新しい苗土を準備した。良い苗を作るには苗土が重要となる。JAS基準違反で苗土に化学肥料を入れていたという事件があった。苗土に肥料分が足りないと、3葉期以降の苗が黄ばんで生育を止める。この時、根がトレイから下の良い土に入り込めれば、その後も生育をする。そこで、苗土より苗床を整備して、そこに根が付きぬけ根を張り巡らせて、良い苗を作ろうとしてきた。最初は普通の苗箱で、底穴の大きい物を分けていただき、苗箱で良い苗を作ろうとした。しかし、なかなか上手くゆかず、セルトレーで作る方式にした。これで4,5葉期から5葉期の苗で田植えが出来るようになった。もちろん手植えである。セルトレーは288穴のプラスティクのものである。5年ほど使っている。2反5畝で200枚というところである。今年は、舟原、欠ノ上で5反分の苗土をまとめて作った。少し多めに作ってある。
山土を20キロ程度を50体。そこに蕎麦がらとそば糠を1年間野積みにして、堆肥化させたものを20キロを20体。湿気て居て重さがあったもの。薫炭を100リットル袋で5体。それを混合し1週間置いて再発酵しないことを確認した。10℃で変化なし。それを8ミリのフルイで振るった。出来上がったものが20キロ袋で64袋。この土は相当に余りそうである。一つの袋で7つのセルトレーに蒔けばいいことになる。これは相当に土は余りそうだ。余りそうなので、発芽試験にもなるので、普通の苗箱でどうなるか実験してみたい。家の方で作ってみよう。種蒔きは4月15日になる。すぐ田んぼの苗床に置く。田んぼの苗床には、鶏糞たい肥を蒔いて、良く耕してある。この土も重要ではあるが、セルトレーに入れるものよりは、心配が少ない。セルトレーと密着させることが一番大切である。出来るだけ平らにならし、土はかなり細かく耕している。本来なら代かきをしてしまえばいいのだろうが、作業の手順から、代かきはしない。上手く行けばセルトレーがはがせない位に、根が苗床に広がる。
セルトレーの苗土は、3葉期までの順調な、がっしりとした苗作りが目標となる。肥料分が多ければ、すんなり生育するが、有機の場合それほど肥料があれば、土が腐敗してしまう。肥料分は必要だが、最小限にして置いた方がいい。根が早くセルトレーの底を突き破ってくれれが、あとは心配が無い。薫炭を入れることで、地温を上げる効果と、腐敗防止効果を期待している。山土は雑草の出ない新しいもの。混ぜる堆肥は完熟風化した位のもの。セルトレーは苗床に並べた後板を載せ、人が上から乗り、苗床と完全に密着する。わずかでも空隙があれば、根は苗床に伸びない。全体が水平であることも注意する。密着した後、ラブシートで覆う。少し浮かせるようにしてラブシートをかけるが、べたがけでも問題はない。年によっては氷が張るほどの寒さが来たこともある。こうした時には、二重のトンネルにしておく必要がある。今年はどうだろうか。
水やりは、発芽するまでは、朝一度水をかけてやる程度にする。芽が伸びるに従い、徐々に水を増やし、代かきをしている訳ではないので、水はなかなかたまらないが、徐々に、田んぼ状態にまで持ってゆく。どこでラブシートを剥がすかの見極めも必要。苗床に根が入った頃がいいと考えているが、天候次第である。いつまでもシートで覆っておくと、徒長気味の苗になる。大きさは無くても、がっしり太い苗にしたい。その意味でも、セル1穴には、3粒前後蒔く。これで1本から3本の苗になる。長く低温で4週間近く浸種するのも、早く一斉に生育させたいからである。6月3日と10日が田植えである。7週と8週の育苗である。良い苗を作ることは、良い稲作の出発点である。ここでは十二分に神経を使う必要がある。
昨日の自給作業:苗土古い2時間 累計時間:7時間