開成町グリンリサイクルセンター

   

開成町の剪定枝の堆肥化施設を見てきた。県のホームページによると、平成12年度より「環境に優しい町、資源循環型都市」を基本方針とし、一般家庭から出る「生ごみ」「剪定枝」を「廃棄物」としてではなく有効な有機物資源(未利用資源)と捉え、これを「たい肥化」し生産された、たい肥を農業に有効利用することによって、「ごみの減量・再資源化」と「資源循環型社会の構築」を図ることを目的として始めた事業で現在実験中。とある。その後12年が経過し、現在どうなっているかを見てきた。いぜん、開成町に正式に見学の申し込みをしたのだが、現在見学を休止しているということで、しばらく待って欲しいという事であった。見学に行ったと言っても時々この前を通る。別段いつも通り受け入れも、堆肥の販売もしているので、入れない訳ではない。このすぐ隣で田んぼを仲間がやっている。苗代もここで長くやっていたので良く良く知った場所だ。

ともかく、センター長という方にお会いして、見学の事を伺ったが、町役場で駄目だと言っているなら、無理でしょうと言うことだった。しかし、普通に営業しているのに、何故駄目なのかが私には当然分からないし、センター長も不思議そうな顔をしていた。酒匂川の土手の上である。宝永の噴火で飛んできた火山灰を集めて作ったというちょっとした高台である。そばに人家がなく、絶好の場所である。一番近い施設が、300メートルほど離れた、高台病院である。河川敷が広く広がり、風の吹きぬけも良く、臭いもこもらないだろう。景観の素晴らしい所だ。丁度地元の方が、ケイトラ一杯檜の枝を持ち込んでいた。普通の焼却場と一緒で、秤に乗って、重量を計り、おろしてゆく。現金を払うようではなかった。制度につては、聞くことが出来なかった。降ろした剪定枝は写真のように、機械でチップ化のコンベアーに順次乗せている。

最初の写真のあたりに、コンクリートのマスが6つほど並んでいて、そこでチップの切り返しをしている。全体で、4人ほどでやっているのではないか。機械はユンボのようなものが2台。それとチップにする建物と機械。年間、480トンの剪定枝の処理と書いてあるが、毎日、2トン位の施設か。出来る堆肥が200キロぐらいか。県の資料では、480トン入れて、152トン堆肥が出来るとなっているが、どういうことだろう。この計算間違いだろうか。4人が働いているいるように見えた。その人件費を考えるとかなりの負担であろう。似たようなことを民間事業者がやっているが、そう言うものと比較して、採算性はどうなるだろうか。民間でも堆肥の価格が採算ベースで絵は高いものになり、利用者がなかなかいないということがある。炭素循環農法では、こうした剪定枝を堆肥にせず、生で使うらしいので、研究の余地がある。

小田原では、すべての剪定枝が燃やされている。だいたいの地域がそうした処理法を取っている。堆肥化を藤沢市ではさらに大規模に、家畜の糞尿処理を含めた堆肥化がすすめていたが、3年ほど前経営破たんした。原因は堆肥化の方法にある。剪定枝に生ごみや、家畜の糞尿を混ぜた場合堆肥は高温化する。高温化する場合堆肥化技術が重要な要素になる。大抵の施設は、施設の老朽化が早まり修繕費で行き詰まる。中国では、ただのコンクリートの床だけの施設がある。鎮江市のお酢の工場での廃棄物を堆肥にする施設である。除雪車の歯を逆に付けたような車でかき回すだけである。実に合理的な方法であった。話は少し変わるが、ここでの放射能の調査が、10ベクレル以下の不検出に成っている。少し信じがたい数字である。剪定枝そのものは1ベクレル以下ということという事になるが。地域差ということになるのか、疑問がある。

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