お米へのセシューム移行
二本松市のお米から500ベクレルの放射性セシウムが検出された。初めてのことである。この水田の土壌の放射性物質濃度は、3000ベクレルだった。これにはちょっと驚いた。山あいの棚田で、山のわき水を使っていた。棚田は祖父の代から耕作してきた。専門家からは、土でなく砂が多い田んぼのため高い値が出た可能性がある、と説明されたという。ほかの同市産のコメ18検体は、いずれも基準を下回った。放射能の植物への移行は、単純には考えられないようだ。土壌放射能の量は重要な要素であるが、むしろ土壌の状態である。この特殊な田んぼを徹底調査をしてほしい。土壌の細かな性質の分析を行うべきである。栽培の経過も、できる限り聞き取りをしてもらいたい。必ず来年の放射能対応に役立つ情報が詰まっている。
以下、稲作の仲間のメール便からである。 ここで考えられるのが、土壌の粘土粒子による吸着だ。プラスイオンであるカリウムイオンやセシウムイオンは、表面がマイナスに帯電している粘土鉱物に吸着される。これが土壌中の自由水に溶け出してきて、根に吸われるわけだが、セシウムの吸着はカリウムよりもかなり強いようで、特に黒雲母に強く結合するという。この結合が想像以上に強く、容易に溶け出してこないと考えると、福島県の農産物、特に事故以降に植えられたもので、ほとんどセシウムが検出されないという事実が理解できる。また、粘土質土壌が広範囲に分布する福島県よりも、有機質土壌の宮城南部(白石市)のコメのほうに多量のセシウムを吸収していること。有機質土壌では多量のセシウムを吸い上げるヒマワリが、福島ではほとんど吸収しないのも、これで説明できる。これはじぷしい農園 東山広幸氏の考えである。とても参考になるので、転記させてもらった。いくつかの観点が考えられる。まず、土壌の性質の中の何が放射能の移行に、どのように影響しているか。次に、土壌の成分だけでなく、過去および今年の耕作の方法に特徴はないのか。さらに、土壌ミネラルの結合の状態の違いが放射能に影響するのかどうか。
農水省の調査では、9月21日時点での予備調査では722地点でのお米のセシュウム測定を行っている。646地点で不検出。74地点で100ベクレル以下。福島県の2地点で200ベクレル以下。となっている。同時に収穫後の玄米の本調査では、1957地点のを測定。1935地点で不検出。21地点で100ベクレル以下。宮城県の1地点で200ベクレル以下。23日に成って、上記のように二本松の田んぼで、初めて500ベクレルを越えるお米がでた。このお米は特殊な事例と考えた方が良い。二本松で他に高く出ている農産物が、菜種。栗だろうか。福島県の市町村別の作物の放射能測定値が詳しく掲載されている。これをじっくりと見て行くと、傾向が見えてくる。土壌では高い値が出ているが、お米には移行しない田んぼもあるはずである。そうした田んぼの特徴から、来年の対策が見えてくる。
大半の作物が不検出に成っている。中には、8,5という表示もあるから、不検出は5以下なのかもしれない。かなり精度の高いものと考えていいだろう。国の検査が客観的で信頼できるとしての事だが。南相馬市や川内村等でも大半のものが不検出に成っている。高い可能性があると言われていたサトイモなどでも不検出である。こうして見て来ると、チェルノブイリとの土壌の違いが考えられる。東北の土は関東平野とはかなり違う。北アルプスのような山が風化してなだらかになった古い地層らしい。砂岩・粘板岩と花崗岩類等が露出している個所が、よくみられる。土壌の中のミネラルがかなりあるのではないだろうか。、大谷石や白河石が風化したような白っぽい土壌のところがたくさんある。当然水田はそうしたものが長い間に、流れ込みながら粘土分を貯めているのではないだろうか。素人考えでは、意味がない。早く専門家の調査をしてもらいたい。
昨日の自給作業:果樹の下に亀戸大根、江戸小松菜播種1時間 累計時間:14時間