段ボールコンポストの配布
生(いき)ごみクラブでは段ボールコンポストの配布を続けている。様々な機会に出掛けて行っては説明をし、無料配布をしている。今年の配布数が1000件なのだが、今現在、650個である。あと350個あるということに成る。昨年度は4月から配布を始めて、1カ月の間に1000件集まった。今年は出足では、400件ぐらいにとどまり、後は配布活動で数を上乗せしているところである。今年度の配布も原発事故が無ければ、すぐ1000件に達したと思うのだが、新しいことに取り組むような心境になれない、と言うのが普通の人の感じ方ではないだろうか。背中を少し押してあげないとならない。それでこちらから出て行って、配布の活動をしている。やり方を説明しながらは居るしているのだが、皆さん段ボールコンポストの事はご存知で、やろうかと思っていたという方がほとんどである。小田原では随分定着してきた。
今年は、朝ドレファーミーというJA西湘の販売施設の前で2度やらしてもらった。前回が60件で、今回が50件と配布した。小田原の世帯数の約10%の8000件の家庭で段ボールコンポストをやっているという状況を作り出す事が、目標である。計画としては5年計画である。3年目で2000件が実行してい居て、4年目、5年目で倍増して行くと考えている。それはごみ処理の有料化が実行されるとみているからだ。たぶん今の市長は用心深い性格だから、選挙前にはやらないだろうと思う。しかし、2期目になればごみ有料化に取り組まざる得ない。その時に、段ボールコンポストの取り組みは倍増して行くと予想している。現状では、段ボールコンポストは市民のボランティア精神に依存している事業である。小田原を、環境を、何とかしたいという気持ちが根底にあり、この事業が広がっている。その小田原市民のボランティア精神だけに依存していては限界がある。
2年目までは段ボールコンポストの基材は、行政が無料配布してくれる。しかし、3年目からは有料と言うことが今の方針である。これは正直段ボールコンポスト継続の新しい壁である。どちらが行政にとって経費の節減に成るかである。基材の有料化で10%の人が止めたとする。継続500件のうち50件が止めると見なければならない。一件の生ごみの量は年間、200キロはある。増える生ごみの総量10、000キロ。この処理費はキロ40円として、40万円の経費増である。500件の人に無料基材配布を続けたとすると、おおよそ60万円程度の経費である。60万円を惜しんで40万円を失う方が望ましいというのが、今の行政の計算である。恒久的経費は出来る限り削減しなければならないという考えがある。もうひとつに、生ごみが減っても処理費が減ったかどうかわからないという、理屈がある。収集費は同じだし。作業人件費も現状変化がみえない。
見えていないだけで、生ごみは確実に減っているのだ。小田原の生ごみが無くなり、収集が週一回で済むようになったとすれば、ごみ処理費は今の半分以下に成る。そんなことはあり得ない。と考えてしまう為に、生ごみの処理に展望が持てないのだ。1000件の配布でも、そんなことはあり得ないと多くの人が決めつけていた。今も8000件など夢物語だと笑う。先日もごみオタクの集会で小田原の取り組みに失笑をした人がいた。今までごみ問題にどっぷり漬かってきた人たちは、市民の力量を信用していない。何度も裏切られ挫折して、諦めてオタクになったような人が実に多い。小田原の取り組みでも今まで環境運動に熱心だった人の中には、この取り組みをせせら笑うような人がいる。ところが、小田原市民は違う。地域の為に何かを表現したいと感じている普通の人が無数にいる。段ボールコンポストは市民力を引き出す方法なのだ。