稲藁の放射能汚染に関する疑問
稲藁の放射能汚染についての全国調査が行われることになった。50万ベクレルと言う放射能汚染が稲藁で起きた。この原因について、疑問が山済みである。この疑問が氷解しないまま、今年の秋に成ることが怖い。何故、稲藁にこれほどの汚染が起きたのかを、明らかにする必要がある。それは放射能汚染の実態が見えてくる可能性があるということと、その性格も把握できるかもしれない。今わかっていることは、かなりの広範囲に稲藁が汚染されていることである。そして、その稲藁は3月11日時点で田んぼに置かれていたであろうことである。何故、田んぼに置かれていたのかがまず疑問であるが、牛の飼料用の稲藁ではなかったと思う。飼料に使うなら、秋に刈った後何らかの保存処理を行うはずである。雪の降る東北の田んぼで、田んぼに置いたままであった稲藁とは一体どういう稲藁だろうか。田んぼに置かれた稲藁が、乾燥と濡れる状態を繰り返しながら、放射能を吸着して、濃度を高めて行くようなことがあるのか。
稲藁を飼料として販売する業者が存在する。宮城県の業者が何と三重県の畜産農家にまで販売している。この稲藁は、ロールサイレージされていると考えていたが違うのだろうか。飼料としての価値は、雨ざらしでは相当に下がるはずである。春まで雨ざらししてあるような稲藁は、半分風化が始まっているはずだ。東北では、雪で覆われてまた違う野外での保存法があるのだろうか。今の推測できるのは、この敷き藁用の稲藁を飼料として与えてしまったのではないかと言うこと。いずれにしても稲藁の流通を見ると、日本全国放射能はあらゆる地点に拡散している。橋本宙八さんがこれからは日本のどこに居ても内部被ばくの問題だ。と繰り返し言われていたことが思い起こされる。稲藁を深く考えてみることは、他の食品の事も推測できることに成る。
100キロ離れた地点で50万ベクレルの汚染があったという意味。新聞情報だが、間違いは無いのだろうか。岩手県の稲藁も汚染が分かった。宮城県からも出ている。お茶のように乾燥して濃度が高まったとしても、10万ベクレルである。田んぼに水が流れ込んでいたのか。普通は田んぼは冬は乾かそうとするが、入水口を開いて、冬水田んぼにしていたのだろうか。藁のある田んぼでそんなことがあるだろうか。ともかく、100キロ圏では田んぼはやってはならない状態と思われる。現在田植えはされているのだろうか。収穫されたお米の汚染が問題になる。土壌の5000ベクレル以下の汚染が稲作の条件となっているが、果たして、田んぼごとの調査などしていないのではないか。入水をした時期。水系の問題。4月地点で田んぼに水を入れたとすると、それ以降田んぼが汚染された可能性も高い。米どころ東北のお米がどうなるのだろう。本気で調べる必要がある。稲藁が50万ベクレル出た田んぼの土壌調査はしたのだろうか。行政は想定も出来ない、指示も出来ない、結果調べない。調べてぼろが出ることはしないのだから、食べる人が考えるしかない。
ごみ焼却場の焼却灰の汚染状況の地図を作ると良い。ごみは暮らしの指標である。焼却灰(飛灰)の状態で地域の汚染状況は見える。千葉では何と7万ベクレルと言う状態である。東京はやはりかなり高い1万ベクレル越えもある。横浜2400ベクレルで小田原1000ベクレルである。一度の調査では、正確度にかけるが、大雑把に言えばやはり距離に比例している。300キロ離れた、焼却灰1000ベクレルの小田原でもお茶は高濃度に汚染されたのだ。ただし、今この地域の農産物に100ベクレルを越えるものはない。子供たちがどこまで食べていいのかは、難しいが。大人には全く問題がない、と私は考えている。明日22日夜6時15分からマロニエで被曝予防勉強会が行われる。内容は未知数だが参考にはなるかもしれない。何としても今年の田んぼは本気で増産しなければならない。
この後専門の人から、稲藁について教わった。肉牛の肥育には稲藁が不可欠で、その稲藁はわざわざ栄養価が低いものを与えるのだそうだ。肉の脂が、黄色くなるのを稲藁で抑える、仕上げ法。より良い肉を作るために、前々年の稲藁をわざわざ与える技術もあるそうだ。その為寒く雪のある田んぼに立てて置いておくことも普通の事だそうだ。