卵がダイオキシン汚染
昨年の5月ドイツの有機畜産認証Bioの卵でダイオキシンの検出があった。ウクライナからの輸入飼料に混入していたことが、原因だった。ドイツの有機食品購入者はこだわりの強い人なのだから、問題は深刻化した。私がむしろ気になったのは、ダイオキシンがどの程度のものだったかである。当時もその点は良く分からないままだった。有機飼料ということだから、当然農薬も化学肥料も使っていない可能性が高い。想像では、狭山のお茶騒動と同じで周辺の焼却施設が原因している可能性が高いと考えた。しかし、周辺からの汚染まではチェックされていないのだろう。それにしても、こうしてダイオキシンの測定を食べ物の段階でしているところが素晴らしい。多分日本では、その100分の1のチェックもないだろう。ほぼ通り抜けである。さらに言えば、ドイツでは放射能汚染などはチェックされているのかどうか。ダイオキシンだけを問題にしても始まらない。全体の問題である。
そのドイツで、さらにセンセーショナルなニュースが飛び込んできた。
独で卵がダイオキシン汚染 警察捜査、飼料に問題
2011年1月6日 09時04分ドイツ・ミュンスターでダイオキシンに汚染された可能性のある卵を分析する研究員=4日(ロイター=共同)【ベルリン共同】ドイツで、がんなどを発症させる恐れのあるダイオキシンが家畜飼料に混入して鶏卵などが汚染されていたことが発覚し「ここ数年で最悪の食料スキャンダル」(ドイツ民放テレビ)と大騒ぎになっている。警察当局は5日、同国北部の飼料関連メーカーを家宅捜索、本格的な捜査に乗り出した。
飼料の原料にダイオキシンが含まれていたのが原因とみられるが、混入の経緯は分かっていない。事態を重視したドイツ政府は同日までに、飼料などの安全規制強化を検討することを明らかにした。
この飼料を使った養鶏場など計千カ所以上が閉鎖され、ニワトリ8千羽以上が殺処分された。卵が汚染されたのは、ドイツのある企業がダイオキシンが混入した工場用脂肪酸15万トンを家畜飼料メーカーに供給したことが原因とされる。
いったい脂肪酸を何故餌に混ぜるのだろう。配合飼料のでたらめの方が、ダイオキシンどころでないようだ。飼料を輸入しなければ出来ないような畜産を禁止する。由来の分からない飼料を使わない。ウクライナだろうが、中国だろうが、外国の環境までコントロールすることはできない。輸入飼料まで使う有機畜産では、問題をはき違えている。まさに、食のシェルターへの閉じこもりである。自分さえ安全な食べ物を食べていれば大丈夫と考える、おぞましさがここにはある。大切なことは地域全体で一歩前進することだ。地域に良いものがないなら、次善の使えるものを育てることだ。そして次善のものが、本当に良いものに成ることを共にに模索することだ。地域のものなら、工業用の油脂が混入するようなことはあり得ない。笹村農鶏園ではできる限り地域の飼料を使う。と言っても地域の農産物もあれば、地域の食品残渣もある。自分で作るものもある。できる限り地域のものを使う、しかし、カキガラは広島のものであったりして完全ではない。いずれにしても輸入飼料は使わない。
取り締まりの厳しそうなドイツでこの事態である。今回の検出でのEU基準値2倍のダイオキシンというのが良く分からないが、日本人の摂取量から言えば、いくらでもない。マグロ好きが1匹3200万円のトロを食べれば、数十倍に成るにちがいない。魚食をしている日本人の脂肪は、ダイオキシン含有量は高い。クジラでもイルカでも同じだ。脂身好きの現代日本人はリスクが相当に高い。卵の問題だけこんな風に騒ぐことが、不自然である。クジラ問題でのダイオキシン問題は封殺された。もう少し正確にデーターを調べてから、記事にしてくれると有難い。食べ物で脅かしだけやると卵の悪い風評が広がりかねない。ドイツの卵がオランダに行って、オランダのお菓子が、ヨーロッパ中に広がる。あやしいということだけのようだが、買いたくないという人は、広がって行くことだろう。
昨日の自給作業:堆肥撒き、耕運2時間 累計時間:4時間