有機の里づくり協議会に於ける、行政の役割

   

有機の里協議会の理事会に、代表である加藤市長も参加した。今年度一年の事業総括を行う事と、来年度一年の事業計画の検討である。モデル事業は仕分けでなくなるが、大変な事業量をこなした一年であったと思う。特に、事務量の大きさが予想できない事であった。打ち合わせ会議の膨大な時間や、4団体の意見調整が充分とはいかなかった。全員参加の原則で、役割分担が大きくなるばかりとなった。各会事務局2名、理事2名の参加で毎月集まると言う状態。それに加えて、ほぼ毎月1回は何らかの活動の開催をした。国のモデル事業関係への参加、県の推進計画に対する参加。さらに来年は小田原市の推進計画が作られる。この関連の関わりもでてくるだろう。国の行う補助事業への参加と言う事が、いかに大変な事なのか良くわかった。税金を使うのだから、当然の事ではあるが、実際には300万円貰って、3000万円くらいの活動を行ってしまったのだろう。

来年度の事業の実施において、市長と言うか、代表理事が言われるには、立ち上がりは行政が協力したが、徐々に行政の協力はできなく成る。というように言われた。今年度の総括としての、小田原市の農政課の職員の役割は、確かに大きな役割になっていた。意思疎通は当初ちぐはぐな事もあったが、行政の協力なくして、到底達成できない事業であったことも事実だ。一般の市職員としての役割の数倍の働きをしてくれたことは事実だ。担当者の本気な対応に申し訳ないことだとはとは思ったが。行政が担う方がいいことが実際には起きてくる。例えば、「田んぼの検討会」を行うのに、県の農総研の職員に指導をお願いする。農の会がお願いする場合、直接の連絡で希望と条件が合えば来ていただける。しかし、国の事業に職員を派遣すると成ると、正式に市長名で要請文を出してもらえればとなる。行政の仕組みという事になるのだろうか。国とのやりとりも、市を通して確認する事が頻繁であった。税金を使うための、煩雑さは普通の事ではない。

小田原市では推進計画は立案する予定である。計画を絵に描いた餅でなく、具体化してゆく方策を、有機の里づくり協議会として、どのように考えればいいのだろうか。市民が自主的に活動を行う。これは当然の事で、今まで4団体とも、何十年も行ってきた事である。そうした活動が評価された上で、これだけでは足りないと言うことになり、有機農業の推進計画の立案が行われているのだろう。確かに4団体の集結で、小田原の農業活性化に新しい風が起きた事は、実際の事であろう。小田原市が来年度計画している、農業分野での無尽蔵計画には、有機の里づくり協議会の役割は大きいと思われる。市長自信がそう言われていた所でもある。小田原市行政の現状が、無尽蔵計画に相応しい体制になっていない所を、有機の里がになっている部分が多分にあると、考えられる。ここは連携ははずせないだろう。むしろ、税金を使わないで、市民直接の自由裁量にしてしまうなら、実にシンプルである。

ともかく来年度は、行政職員の負担も軽減して、関われる運営にしなければならない。それには行政の職員の役割の分担を明確にする事が始まりではないか。連絡業務の行政一元化。連絡とは、国、県、他団体、当協議会に対してである。また、公的機関への申請業務もお願いしなければならないだろう。代表の名前を使って申請する書類を、行政が知らなかったと言う事が起きた。そのほかの事は事業主体が行う事だろう。これは、久野の里地里山協議会でもそうなのだが、どうしても雑用的業務を行政の方がになう事に成りがちである。これは良い事ではない。そういう部分を担う人が居なければ、できないような事業は、本来市民活動によって成立していない活動である。止めたほうがいい活動だと思う。しかし、難しいのは市民にはさまざまな意見がある。これを一つに決定すると言う事がしがたい所がある。市民参加の時代を推進するためには、行政の役割を、行政側から、全分野について、統一的見解を明確にすべきなのだろう。

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