廃棄物会計と生ごみ堆肥化

   

小田原市ではごみ処理に年間3,041,033,093円の費用がかかっている。市民一人当たり、15,205円となる。その内訳では、生ごみの処理費用は市民1人あたり4400円となっている。生ごみは市民の努力で、自己処理できるものである。生ごみを出さない人にはそれだけの対価が返えせるなら、生ごみを出さない人は、市民のかなりの数になるのではないか。もちろんお金だけの事ではない。CO2の削減にも貢献することになる。循環型社会という大きな目標に、踏み出すと言う事にもなる。いい事をして、節約にもなる。この仕組みを是非とも、小田原市のごみ処理に反映してほしい。

生ごみの消滅型処理には、様々な手法がある。ダンボールコンポストは家庭で出来る、簡単な方法である。簡単に取り組めるが、継続は難しい。難しい原因は取り組み甲斐がないからである。頑張って取り組んでも、個人的な思いに留まっている。これが社会貢献であり、対価が生じるものであるなら、間違いなく今より広がる。

これから財政の厳しい環境が続く。中でも毎年、30億円もかかっている経費をこれ以上増やす事はできない。例えば、広域化することでごみ処理経費が、増加するか、減少するか。あるいは、溶融炉にした場合、その経費は増加するのか減少するのか。すべては、将来の廃棄物会計の試算をして見ない限り、判断は出来ない。

生ごみの堆肥化を進めるにしても、今より経費がかかる方法は、どれほど良いものであれ、取り組む事はできない、財政状況にある。その点からも先ず消滅型の生ごみ家庭処理を、推進することが第一目標となる。これで、小田原の10%の世帯7500まで進める。それには、どういう恩恵が設定できるかが、焦点になる。生ごみ入れない袋の無料配布。街の商店街で使える商品券の配布も考えられる。

次の段階では、家庭より広げて、地域での消滅型の取り組みである。例えば、農家の方が、周辺の方の生ごみを、堆肥材料として受け入れる10世帯のものを受け入れるなら、44000円の費用が生じることになる。各家庭にしても、分別の手間は生じるが、いつでも生ごみを捨てられるというメリットがある。ここまで取り組みを広げても、20%の生ごみの削減程度であろう。

第3段階が、スーパーや商店街や学校などの特定場所での生ごみの収集である。これは、商品券配布とも連携がとれる。韮崎のスーパーヤマト方式。いつでも生ごみを持ち込めて、カードにポイントが貯まる。収集費用は生じる。又集めた、生ごみも堆肥化センターでの処理が必要になる。出来た堆肥の流れも作らなければならない。と言ってもまだ、焼却する現行方式と同程度の経費で納まると考えられる。しかし、この方式で20%程度の収集と思われる。

ここまでが、行政経費の増加なく、生ごみの堆肥化の進められる方式である。第3段階までは、市民は選択的に選んでいる。また、行政も経費の増加は生じていない。しかし、生ごみの半減までは進んでいない。これ以上進めるためには、今のごみ処理経費が増加することを覚悟しなければならない、第4段階である。各家庭から、地域のごみ収集場所に生ごみを出す方式。全世帯の生ごみが堆肥化される段階である。問題は、今よりごみ処理費が増加してまで、生ごみの堆肥化にとり組むことに、市民的合意が取れるかである。

他地域の行政の生ごみ処理は、この第4段階からスタートしている所が多い。そのために、財政的負担が大きすぎて、一部の活動に留まっていたり、財政の圧迫になっていたりする。ここを見極めるための、モデル事業が必要となるだろう。

昨日の自給作業:かまど作り2時間 累計:7時間

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