財政予算の読み違い

   

自民党時代の与謝野財務大臣は、今年の4月の段階で税収見込みを変更できないとして、相当の落ち込みを予測しながらも、莫大な補正予算を垂れ流した。それでGNPが2%下支えできると言う事だった。大抵の人は到底無理だと思っていただろう。その結果。9兆2000億円という税収の莫大過ぎる見込み違いが起きた。おおよそ2割の減収が予測違いと言う事になる。こんな愚かな事が通る訳がないのに、麻生元首相は口をひん曲げて強弁していた。日本の財務官僚は本当に有能なのかどうか。疑わしくなる。勉強は出来るが現実が見えない連中のような気がしてならない。会社であれば、整理に入るというのが現実。給与の大幅減額は、当然行う。全ての公務員給与は2割カット。2割り首切りをするのかどちらかの選択。残念ながら出来ないだろうと思うが、それぐらいの状況になっていると言う事を、先ず国民全てが認識する必要がある。

江戸時代の貧しさは、人間の節度に繋がった。武士は食わねど高楊枝。江戸幕府は常に財政難であった。各藩も財政難である。小田原にいたっては財政難解決を農民の二宮尊徳の財務力に期待したほどだ。そうした、貧しいながらも品位ある精神を保った徳。このことを思い出さなければならない。農の会の人は貧しいかもしれない。しかし、人間としての確かさや安定感がある。自立して生きているからだと思う。多くの人は今よりは収入のある、いわゆる安定した暮らしを抜け出して、農業の暮らしに入った。その自立した精神が安定した気持ちを確立しているのだと思う。日本は年々深刻な、生活苦の時代になる。少々の浮き沈みはあるだろうが、どこかの岸辺に緊急的に接岸しなければならない状況に来ている。先ずこの認識を持てるかどうかが、第1歩である。民主党政権も収入を大きく超える、国債発行で借金生活をしてゆこうとしている。今回の借金はいよいよ危険な水域である。

世界経済の状況を冷静に判断すべきだ。日本が戦後ここまで経済大国化したのは、勤勉で、能力の高い、同じ言葉をしゃべる、言わずと通ずる仲間意識。しかも先進国より安い労働力。に支えられていた。次の段階では海外の安い労働力を、上手く管理することで利益を得てきた。ヨーロッパとも違う、アメリカとも違う、独特の国家意識とマネージメント能力。島国という国土の独立した安定。軍事的防衛をアメリカに依存して出費を抑える。幻想であったかもしれないが、民主的な開かれた社会へ自由競争の成立。諸要素によって生まれた、まだ一定の優位さを保っている製品の開発力や、それを支える技術力。しかし、アジア諸国の能力は侮れないどころか、必ずや凌駕されるだろう。日本人だけがいつまでも能力が高いと言う事はない。かつて有利さを生み出したこの社会の仕組みが、経年疲労したのか、勤勉で能力が高いとは、到底言えなくなっている。お金が優先の価値観の社会のようだ。

9兆2000億円収入が見込み違いなら、それを借金で穴埋めするのでなく。歳出削減で埋める。家庭なら当たり前の事だ。デフレスパイラルだとか、消費が減れば不景気が来るとか、おかしなことを当然のように、言い散らしているのはそういうでたらめに乗っかっている、口舌の徒だ。騙されてはならない。消費を減らせば、支出が減る。節約は美徳だ。口先にごまかされる必要はない。祖父は消し炭と本当の炭を使い分けた。お客さんでも来なければ、本炭など使わせないのだ。日常の炬燵は消し炭。炭焼きを家でしていた。鶏を飼っていたのに、卵を食べるのに決意がいるような暮らし。いつか、1個の卵で卵掛けご飯が食べて見たいものだと思っていた。節度の方を重んじた暮らしだった。。貧しいこと苦にせず、むしろ誇りとして生きていた。アメリカの消費社会の誘惑に世界中が幻惑されたのだ。

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