豚インフルエンザ5
インフルエンザウイルスについて、少し予想外の事が起きている。エジプトで豚が処分された。今までの鳥インフルエンザH5N1の時の対応だと、ウイルスを持つ、あるいは抗体がある。これだけで全てが淘汰されてきた。全くおかしな対応である。抗体があるというだけで、淘汰するなら、一度感染した人間は永遠に隔離しなければいけないと言うような意味になる。先日の愛知の弱毒のウイルスの抗体が見つかっただけで、何百万羽のうずらが、意味なく殺された。それでは同じことを豚でもやるのか。エジプトの情報は正確ではないが、豚の中から20%ぐらいH5N1ウイルスが見つかったという理由で、全ての豚を淘汰したと言う事らしい。そのとき出ていた情報だと、豚を調査して、インフルエンザの抗体があると言う事は珍しいことではない。と言う事だった。キリスト教系住民の弾圧という側面だけが、出てきているので、インフルエンザの本質は見えにくい。
エジプトは鳥インフルエンザH5N1については、蔓延が進んでいる。26人が死亡しているという。WHOは以前からエジプトの対応を、模範的蔓延予防措置をしていると言う事で、対応方法を評価していた。それが今回同じことを豚で行ったと言う事で、今度はWHOはエジプト政府を間違った対応と言う事で、批判している。何故、豚と鶏は違うのか。今回のウイルスが、幸いなことに弱毒であった。強度化する可能性がないとは言えないが、先ずは大きな危機の山は越えかかっている。ウイルスという物の変異の性格も今回の事で少しづつ、確認が進んだ。ワクチン製造過程でウイルスが変異したのではないか。このような疑いが出て調査がされている。これは即座に否定されたが、即座に否定できる根拠などあるわけもない。いかにも学問的でない。可能性がない事ではない。ワクチンという物は、リスクがある。製造過程にもあるし、ワクチンより感染が始まると言う事もあった。
しかも、ワクチンによる免疫と、自然感染による免疫とは、違うと言う事も今回の事でだいぶ判ってきた。感染の連鎖による強毒化の可能性と言う事では、人間での感染の連鎖は、強毒化しやすい条件が揃っている。ウイルスは条件が揃っているからと言って必ず強毒化して行くわけでもない。分からない事だらけだ。しかし、新型インフルエンザの出現には、豚が鍵を握っていると言う事は、いよいよ明確化して来た。豚を調べることだ。先ず、メキシコの豚を徹底調査する。どこでどういう過程で人感染が可能に変異したのか。今の所されているようでもない。どういう圧力が働いているのだろうか。他所の事は、どうにもしょうがないが、日本の豚の感染は調べているのだろうか。もしやっていないなら緊急にやる必要がある。豚がインフルエンザに感染していない理由がない。人間と同じレベルでは感染しているはずだ。もし感染がないなら、その意味こそ研究しなければならない。問題はウイルスの種類。
いずれ、メキシコ、アメリカでの感染の広がり方をみると、感染力は強い。確かではないが、弱毒のウイルスの方が感染力が強い、ようだ。そうあって欲しいということでもあるが、鶏においての感染状況を見ると、そんな気に成る。WHOは豚の調査を緊急に行うこと。本当に既に豚の中に、存在しているのかどうか。そして、強毒のH5N1ウイルスが、豚の中で人感染するように変異することを抑える。そう思うと、エジプトの対応を簡単には批判は出来ない。人類の危機ともいえる状況が生れるかもしれない。神戸では豚インフルエンザで人人感染ではないか、という事例が昨日発表された。遺伝子調査も陽性だという。しかしこれは違うような気がする。公表の判断もばらついている。不安を増幅させるから、基準をきちっとする必要がある。